臨床婦人科産科76巻6号

2022年06月発行

今月の臨床 生殖医療・周産期にかかわる法と倫理―親子関係・医療制度・虐待をめぐって

周産期の虐待をめぐる諸問題

改正児童虐待防止法と周産期臨床

著者： 板澤寿子¹

所属機関： ¹埼玉医科大学病院小児科

ページ範囲：P.592 - P.598

文献概要

●児童虐待防止法〔令和2（2020）年4月1日施行〕の主な改正点は，親権者による体罰の禁止の明確化，児童相談所の体制強化，関係機関間の連携強化である．

●母子保健に従事する保健・医療・福祉関係者は妊産婦のメンタルヘルスと心理社会的リスク因子を把握し，背景に合わせた支援を行う必要がある．

●周産期における適切な医療と支援が児童虐待防止の第一歩である．

参考文献

1）厚生労働省 : 児童虐待相談対応件数の動向．令和2年度児童相談所での児童虐待相談対応件数．https://www.mhlw.go.jp/content/000863297.pdf

2）厚生労働省 : 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について（第17次報告）　https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190801_00002.html

3）厚生労働省 : 子ども虐待による死亡事例等の検証について．https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198645.html（最終アクセス日 : 2022年2月14日）

4）Di Florio A, et al : Perinatal episodes across the mood disorder spectrum. JAMA Psychiatry 70 : 168-175, 2013

5）厚生労働省 : 第6回周産期医療体制のあり方に関する検討会．合併症を有する妊娠と周産期医療体制．https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000134653.html

6）朝永千春，他 : 当院における精神疾患合併妊娠の検討．日周産期・新生児会誌55 : 929-935, 2019

7）日本周産期メンタルヘルス学会: 周産期メンタルヘルスコンセンサスガイド2007．http://pmhguideline.com/consensus_guide/cq01-20.pdf