文献詳細
症例
CCRT直前に脳出血を発症したが,治療を完遂できた子宮頸がんⅡB期の維持透析患者の1例
著者: 向山文貴1 木村博昭1 後藤優希1 廣瀬雅紀1 安部真希子1 清水わか子2 平敷好一郎1
所属機関: 1君津中央病院産婦人科 2君津中央病院放射線治療科
ページ範囲:P.599 - P.604
文献概要
維持透析患者の子宮頸がんに対して同時化学放射線療法(CCRT)を施行した報告例は少ない.今回,子宮頸がんⅡB期の維持透析患者に対して,直前に脳出血を発症したがCCRTを完遂できた症例を経験した.患者は57歳,6経妊6経産.本態性高血圧症による慢性腎不全で15年前より維持透析を受けている.発熱,下腹部痛を主訴に前医受診し,単純CT検査で子宮囊胞性腫瘤を認めたため当科紹介受診となった.精査により子宮留膿腫,子宮頸部扁平上皮癌ⅡB期(T2bN0M0)の診断となった.当科初診10日後に高血圧緊急症による左被殻出血を偶発的に発症し,当院脳神経外科で保存加療を受けた.右片麻痺が残存したが,全身状態は良好なためCCRTを行う方針とした.当科初診29日後より開始し,シスプラチンは非透析日に標準投与量から50%減量した20mg/m2/週で投与した.大きな有害事象なくCCRTを完遂し,評価で完全奏効と判定した.治療後2か月の現在,再発なく経過している.
参考文献
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