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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科76巻6号

2022年06月発行

連載 Obstetric News

閉経の予知としての抗ミュラー管ホルモン利用

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久レディースクリニック

ページ範囲:P.606 - P.607

文献概要

 抗ミュラー管ホルモン(anti-müllerian hormone : AMH)は,発育中の卵胞内の各卵子を取り囲む顆粒膜細胞によって産生される.ある時点でのAMHの産生量と血清レベルは,女性の卵巣予備能を反映しており,複数の研究により,AMHの値は生殖期間中に低下することが実証されている.不妊症の女性の卵巣予備能の評価や,この集団における卵巣刺激プロトコルの選択にAMH値を使用することを支持するデータが存在する.

 しかし,不妊症の診断を受けていない女性の不妊カウンセリングに血清AMH値を使用することは,現在のところ質の高い情報源からのデータでは支持されていない.妊娠を試みたことがないか,または以前に援助なしで妊娠したことがある生殖年齢の女性を含む,不妊症の有病率が低い女性の集団において,血清AMH値の予測可能性を検討する際には注意を払う必要がある.現在の情報によると,妊娠可能と思われる女性の集団において,任意の時点で得られた1回の血清AMH値の評価は,妊娠までの期間を予測するのに有用ではないと考えられることから,この点に関する患者のカウンセリングに使用すべきではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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