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原著
経腹膜アプローチによるロボット支援下傍大動脈リンパ節郭清術における腹膜テント形成の工夫
著者: 竹本祐基1 馬淵誠士1 林田はるえ1 前田通秀1 角張玲沙1 松崎慎哉1 久毅1 上浦祥司1
所属機関: 1大阪国際がんセンター婦人科
ページ範囲:P.531 - P.536
文献購入ページに移動手術支援ロボットまたは腹腔鏡を用いた経腹膜アプローチの傍大動脈リンパ節郭清術は,複雑かつ長時間を要する術式であり,後腹膜腔の展開と後腹膜の吊り上げ(腹膜テント形成)による術野の保持が,安全性と手術時間を大きく左右する.Laptraction®は,一端に直径10mmの円形プレジェットを,もう一端に65mmの直針を配するナイロン糸(30cm)であり,内視鏡手術における腹膜の牽引目的に開発された医療器具である.本研究は,2022年3〜10月に実施した,傍大動脈リンパ節郭清術を含むロボット支援下子宮体がん根治術の6症例を対象とし,腹膜テント形成におけるLaptraction®の有用性を検討したものである.腹膜テント形成に要した時間の中央値は4分36秒であり,すべての症例で牽引箇所の破綻を認めなかった.手術時間の中央値は421分で,術中合併症を認めなかった.経腹膜アプローチによるロボット支援下傍大動脈リンパ節郭清術において,Laptraction®を用いた腹膜テント形成は安全で汎用性が高いと考えられた.
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