臨床婦人科産科77巻6号

2023年06月発行

今月の臨床 更年期症状への補完代替医療の最新知見―科学的根拠を踏まえて 補完代替医療それぞれの作用機序と効果

心理療法・精神療法

著者： 牧田和也¹

所属機関： ¹牧田産婦人科医院

ページ範囲：P.621 - P.623

●更年期症状で日常生活への支障度が低い場合は，必ずしも薬物療法は必要としない．

●ホットフラッシュを中心とした血管運動神経症状には，薬物療法のなかでもホルモン補充療法（HRT）が有効であることは周知の事実であるが，それ以外の症状についてはすべてに有効なわけではない．

●精神・心理・社会的要因が強い症状に対しては，心理療法・精神療法が有効なケースもある．

●薬物療法に心理療法・精神療法を併用することも，症例によっては推奨される．

参考文献

1）日本産科婦人科学会（編） : 産科婦人科用語集・用語解説集（改訂第4版）．pp74-75，金原出版，2018

2）日本女性医学学会（編） : 更年期障害．女性医学ガイドブック更年期医療編2019年度版．pp32-49，金原出版，2019

3）日本精神神経学会ホームページ : 日本精神神経学会精神療法委員会に「精神療法について」を訊く．https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=58（2023.3.15閲覧）

4）女性医学における治療法とその実際―その他の治療法．日本女性医学学会（編） : 女性医学ガイドブック更年期医療編2019年度版．pp399-429，金原出版，2019

5）寺内公一 : 更年期のメンタルヘルス．日本女性心身医学会（編） : 最新心身医学．pp259-274，ぱーそん書房，2015

6）松本珠希，他 : 自律神経活動から評価した更年期外来における心理療法の臨床効果．日更年医会誌15 : 135-145, 2007

7）木村武彦，他 : 更年期外来での心理療法の検討．日更年医会誌14（Suppl） : 72, 2006