icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科78巻1号

2024年01月発行

合併増大号 今月の臨床 産婦人科医のための感染症最新レクチャー

フリーアクセス

著者: 早川智1

所属機関: 1日本大学医学部病態病理学系微生物学分野

ページ範囲:P.5 - P.5

文献概要

 時を表す古典ギリシア語には,クロノスΧρόνοςとカイロスΚαιρόςの2つがある.過去から未来に途切れることなく流れてゆく時間が「クロノス」であり,これに対して,何らかの事件によって時の流れが変わってしまう主観的時間が「カイロス」である.明治維新や第二次大戦の終戦はわが国にとってのカイロスであるが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も後年カイロスの一つとして記憶されるであろう.2019年末に中国から始まった流行は瞬く間に全世界を巻き込むパンデミックとなり,4年を経た現在2024年でもいまだ終息をみない.

 COVID-19のパンデミックはすべての診療科に大きな影響を与えたが,産婦人科も例外ではない.一般的に産婦人科は,腫瘍学,周産期医学,生殖内分泌医学,そして女性医学に大別される.産婦人科感染症は便宜上最後の女性医学に包括されることが多いが,実際にはHPV発がん(腫瘍学),早産,母子感染(周産期),不妊不育(生殖内分泌),そして性感染症(女性医学)などすべての領域に深く関与する.これに加えて,抗菌薬の適正使用や感染症の分子診断,ワクチンの効果と副反応の啓発などは,すべての領域の産婦人科医が知らねばならない必須事項である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら