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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科78巻2号

2024年03月発行

文献概要

今月の臨床 重篤な遺伝性疾患の着床前診断―患者ニーズと診断・治療の現状 総論

着床前診断に用いられる遺伝子診断技術の現状

著者: 古川源1 七里由衣1 倉橋浩樹1

所属機関: 1藤田医科大学医科学研究センター分子遺伝学研究部門

ページ範囲:P.174 - P.180

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●重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)を高精度に実施するためには,最適な全ゲノム増幅法を用いて十分なDNA量を得ることに加え,家系における病的バリアントの信頼度を検討し,それを検出する直接法と連鎖解析による間接法を併用することが重要である.

●直接法を用いるにあたって,PGT-Mの対象となる疾患は通常のSanger法では判定できない特殊な病的バリアントが原因のことが多く,解析には工夫が必要になる.

●間接法では,一塩基置換やshort tandem repeatをマーカーとして用いたハプロタイプ家系図を構築する必要があり,家系における病的バリアントの上流・下流それぞれ1Mb以内に位置する複数の遺伝的マーカーを解析することが組み換えによる誤判定のリスクを低減することにつながる.

●近年,ロングリードシークエンスの普及により,直接法・間接法の事前セットアップが容易になりつつある.

参考文献

1)日本産科婦人科学会 : 「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査」に関する見解/細則.日産婦会誌74 : 772-777, 2022
2)ESHRE PGT-M Working Group ; Carvalho F, et al : ESHRE PGT Consortium good practice recommendations for the detection of monogenic disorders. Hum Reprod Open 2020 : hoaa018, 2020
3)Cheng Y, et al : Variant haplophasing by long-read sequencing : a new approach to preimplantation genetic testing workups. Fertil Steril 116 : 774-783, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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