文献詳細
今月の臨床 重篤な遺伝性疾患の着床前診断―患者ニーズと診断・治療の現状
倫理的側面から
文献概要
●倫理的に考えるとは,特定の価値観から善悪を判断するのではなく,さまざまな価値判断の方法(功利主義,義務論,徳倫理,原則主義など)から,物事を多角的に考察することである.
●着床前診断の是非は,依頼する女性や家族の心情を理解し,自由な自己決定を尊重するとともに,廃棄される胚の尊厳にも配慮する必要がある.
●着床前診断による罹患胚の排除は,厳密な意味では,優生学的な差別でも医療行為としての予防でもない.だが,価値判断は,無意識にその時代の社会通念に影響される懸念がある.
●着床前診断の是非は,依頼する女性や家族の心情を理解し,自由な自己決定を尊重するとともに,廃棄される胚の尊厳にも配慮する必要がある.
●着床前診断による罹患胚の排除は,厳密な意味では,優生学的な差別でも医療行為としての予防でもない.だが,価値判断は,無意識にその時代の社会通念に影響される懸念がある.
参考文献
1)総合科学技術会議 : ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方.pp5-6,2004
2)De Wert G, et al : ESHRE Task Force on Ethics and Law22 : preimplantation genetic diagnosis. Hum Reprod 29 : 1610-1617, 2014
掲載誌情報