icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科78巻2号

2024年03月発行

今月の臨床 重篤な遺伝性疾患の着床前診断―患者ニーズと診断・治療の現状

倫理的側面から

新しい時代の倫理学からみた着床前診断

著者: 小出泰士1

所属機関: 1芝浦工業大学

ページ範囲:P.236 - P.240

文献概要

●倫理的に考えるとは,特定の価値観から善悪を判断するのではなく,さまざまな価値判断の方法(功利主義,義務論,徳倫理,原則主義など)から,物事を多角的に考察することである.

●着床前診断の是非は,依頼する女性や家族の心情を理解し,自由な自己決定を尊重するとともに,廃棄される胚の尊厳にも配慮する必要がある.

●着床前診断による罹患胚の排除は,厳密な意味では,優生学的な差別でも医療行為としての予防でもない.だが,価値判断は,無意識にその時代の社会通念に影響される懸念がある.

参考文献

1)総合科学技術会議 : ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方.pp5-6,2004
2)De Wert G, et al : ESHRE Task Force on Ethics and Law22 : preimplantation genetic diagnosis. Hum Reprod 29 : 1610-1617, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら