文献詳細
増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編 ❶症状・所見からみた疾患鑑別と病態把握《救急外来》
文献概要
遭遇しやすい典型ケース
52歳,主訴は過多月経.最終月経2日目より月経量が多く持続しているため月経14日目に近医産婦人科を受診した.血液検査にてHb 4.5g/dLであり,濃厚赤血球液(RCC)6単位を輸血された.Hb 7.4g/dLまで改善したが出血は持続しており高次施設に紹介となった.超音波断層法にて5cm大の子宮筋腫を認めた.バイタルサインの異常を認めなかったが,血液検査ではHb 7.1g/dL,翌日6.6g/dLと低下がありRCC 4単位を輸血され9.4g/dLまで上昇した.子宮頸部細胞診と内膜吸引組織診にて異常を認めず,MRIでは子宮筋腫の診断であり,子宮筋腫による過多月経と鉄欠乏性貧血と診断した.子宮からの出血は少量となったため退院となった.6か月後再出血を認め,子宮内膜吸引組織診を施行したところendometrioid carcinoma G1との診断であった.画像診断では子宮体がんⅠA期相当であり腹腔鏡下子宮全摘出術,両側付属器切除術を施行した.
52歳,主訴は過多月経.最終月経2日目より月経量が多く持続しているため月経14日目に近医産婦人科を受診した.血液検査にてHb 4.5g/dLであり,濃厚赤血球液(RCC)6単位を輸血された.Hb 7.4g/dLまで改善したが出血は持続しており高次施設に紹介となった.超音波断層法にて5cm大の子宮筋腫を認めた.バイタルサインの異常を認めなかったが,血液検査ではHb 7.1g/dL,翌日6.6g/dLと低下がありRCC 4単位を輸血され9.4g/dLまで上昇した.子宮頸部細胞診と内膜吸引組織診にて異常を認めず,MRIでは子宮筋腫の診断であり,子宮筋腫による過多月経と鉄欠乏性貧血と診断した.子宮からの出血は少量となったため退院となった.6か月後再出血を認め,子宮内膜吸引組織診を施行したところendometrioid carcinoma G1との診断であった.画像診断では子宮体がんⅠA期相当であり腹腔鏡下子宮全摘出術,両側付属器切除術を施行した.
参考文献
1)Munro MG, et al : The FIGO systems for nomenclature and classification of causes of abnormal uterine bleeding in the reproductive years : who needs them? Am J Obstet Gynecol 207 : 259-265, 2012
2)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会(編・監) : 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.日本産科婦人科学会,2023
3)American College of Surgeons Comittee on Trauma:Trauma Evaluation and Management(TEAM):Program for Medical Students:Instructor teaching guide. American College of Surgeons, Chicago, 1999
4)小林正直,他(監): 改訂第4版ALS―写真と動画でわかる二次救命処置.Gakken,2023
5)Committee on Adolescent Health Care ; Committee on Gynecologic Practice : Committee Opinion No.580 : von Willebrand disease in women. Obstet Gynecol 122 : 1368-1373, 2013
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