文献詳細
増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編 ❶症状・所見からみた疾患鑑別と病態把握《術後急変》
文献概要
遭遇しやすい典型ケース
78歳.卵巣癌疑いで手術予定であった.術前検査でDダイマー高値であり,造影CT検査で下肢静脈血栓を認めた.開腹による子宮全摘,両側付属器摘出,大網切除,播種切除を施行した.播種を認めステージⅢC期と思われた.術後HCUに入室.術後5時間で意識レベルの低下を認めた.傾眠傾向であり,左上下肢の筋力低下あり.血圧低下なくドレーン排液は淡血性.頭部CTを撮影したが,異常所見なし(図1).脳神経外科に診察を依頼し,頭部MRIを撮影したところ,右中脳動脈の梗塞を認めた(図2,3).術後に低分子ヘパリンを投与していたため血栓溶解療法の適応とならず,血栓回収療法を施行した.
78歳.卵巣癌疑いで手術予定であった.術前検査でDダイマー高値であり,造影CT検査で下肢静脈血栓を認めた.開腹による子宮全摘,両側付属器摘出,大網切除,播種切除を施行した.播種を認めステージⅢC期と思われた.術後HCUに入室.術後5時間で意識レベルの低下を認めた.傾眠傾向であり,左上下肢の筋力低下あり.血圧低下なくドレーン排液は淡血性.頭部CTを撮影したが,異常所見なし(図1).脳神経外科に診察を依頼し,頭部MRIを撮影したところ,右中脳動脈の梗塞を認めた(図2,3).術後に低分子ヘパリンを投与していたため血栓溶解療法の適応とならず,血栓回収療法を施行した.
参考文献
1)日本脳卒中学会脳卒中医療向上・社会保険委員会静注血栓溶解療法指針改訂部会 : 静注血栓溶解(rt-PA)療法適正治療指針第3版.2019 https://www.jsts.gr.jp/guidelines/index.html(最終アクセス : 2023年12月19日)
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