文献詳細
増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編 ❸術後合併症への対応法
文献概要
遭遇しやすい典型ケース
38歳女性に対して,卵巣子宮内膜症性囊胞にて腹腔鏡下卵巣囊腫摘出術およびダグラス窩癒着剝離術を行った.術後より38℃台の発熱が持続していたが,術後3日目に39℃台の発熱と急激な下腹部痛を認めた.腹部は膨満し,触診にて下腹部を中心に圧痛を認めた.腹部CTにてダグラス窩付近に膿瘍を認め,それに伴う汎発性腹膜炎と診断された.quick SOFA(sequential organ failure assessment)スコアは2点であり,さらにSOFAスコアにより敗血症と診断された.血液検査においても炎症所見は高度であり,直ちに広域抗菌薬を投与開始した.また,抗菌薬投与前に血液培養を提出し,感受性試験の結果に基づきスペクトルを狭めていった.さらに,膿瘍のドレナージが可能かどうか放射線科とも相談し,CTガイド下にドレナージ術を行い,その後,症状は改善していった.
38歳女性に対して,卵巣子宮内膜症性囊胞にて腹腔鏡下卵巣囊腫摘出術およびダグラス窩癒着剝離術を行った.術後より38℃台の発熱が持続していたが,術後3日目に39℃台の発熱と急激な下腹部痛を認めた.腹部は膨満し,触診にて下腹部を中心に圧痛を認めた.腹部CTにてダグラス窩付近に膿瘍を認め,それに伴う汎発性腹膜炎と診断された.quick SOFA(sequential organ failure assessment)スコアは2点であり,さらにSOFAスコアにより敗血症と診断された.血液検査においても炎症所見は高度であり,直ちに広域抗菌薬を投与開始した.また,抗菌薬投与前に血液培養を提出し,感受性試験の結果に基づきスペクトルを狭めていった.さらに,膿瘍のドレナージが可能かどうか放射線科とも相談し,CTガイド下にドレナージ術を行い,その後,症状は改善していった.
参考文献
1)江木盛時,他 : 日本版敗血症診療ガイドライン2020年版.日集中医誌28:S1-S411, 2021
2)Singer M, et al : The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock(Sepsis-3). JAMA 315 : 801-810, 2016
3)西田 修,他 : 日本版敗血症診療ガイドライン2016年版.日集中医誌24:S1-S232, 2017
4)Fan E, et al : Acute respiratory distress syndrome : advances in diagnosis and treatment. JAMA 319 : 698-710, 2018
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