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増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック Ⅲ. 産科編 ❶症状・所見からみた疾患鑑別
妊婦が息苦しいと訴えて来院した!(呼吸器系症状)
著者: 高橋司1 齋藤昌利1
所属機関: 1東北大学病院産科
ページ範囲:P.196 - P.200
文献購入ページに移動症例1 : 37歳女性,6妊3産(帝王切開3回)
既往歴は帝王切開以外特になく,家族歴も特になかった.自然妊娠で妊娠成立した.妊娠32週に規則的な腹部の張りを訴え,入院管理となった.入院後も張りは落ち着かず,リトドリン塩酸塩の持続点滴が開始された.妊娠37週での帝王切開術を予定し,妊娠35週に行った術前検査では,採血,心電図,胸部X線で異常を認めなかった.妊娠37週3日に既往帝王切開術後妊娠のために脊椎麻酔下に選択的帝王切開術を施行した.児は2,632gの男児で術中出血量は753gであった.帰室後は特に問題なく経過していた.
術後1日目,離床する際に呼吸苦の訴えあり,SpO2は92%(room air)であった.酸素1L/分投与により96%まで改善し,呼吸苦は軽減した.しかし,酸素投与をやめるとSpO2は再び90〜92%に低下し,呼吸苦が増悪した.
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