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増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック Ⅲ. 産科編 ❷周産期救急疾患への初期対応
常位胎盤早期剝離
著者: 田野翔1 小谷友美1
所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院産婦人科
ページ範囲:P.228 - P.232
文献購入ページに移動症例1 : 28歳,1妊0産,既往歴なし
【現病歴】妊娠36週6日に持続する強い腹痛を主訴に当院を受診した.不正性器出血はなく,胎動は明らかなものは感じなくなった.腹痛は間欠的で1時間前に突然始まった.これまでの妊婦健診で異常の指摘はなかった.
【初診時所見】体温37.0℃,血圧102/69 mmHg,脈拍87回/分.超音波断層法で7×3cmの胎盤後血腫を認め(図1),胎児心拍は確認できなかった.内診で子宮口は1cm開大しており,性器出血はなかった.
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