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増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック Ⅲ. 産科編 ❹妊産褥婦の合併疾患への対応法
てんかん
著者: 佐々真梨子1 笠井靖代1 寒川早織1
所属機関: 1日本赤十字社医療センター産婦人科
ページ範囲:P.322 - P.327
文献購入ページに移動28歳女性.初産婦.大学生の頃から睡眠不足を契機に倒れることを繰り返していた.24歳時に意識消失および強直間代性痙攣を起こし,救急搬送された.てんかんの診断でレベチラセタム1,000mg/日の内服を開始した.以降,脳外科クリニックで抗てんかん薬の処方を受けており,怠薬することなく内服を継続し,発作なく経過していた.
自然妊娠が成立し,妊娠中も抗てんかん薬の内服を継続し,発作を起こすことなく母子ともに妊娠経過は順調であった.妊娠39週2日に2,782gの男児を自然分娩した.分娩時間は15時間30分,分娩時出血量は350gであった.産後は頻回授乳のため睡眠不足が続いたが,産後経過は概ね良好であった.産褥4日,午前5時頃,児のおむつ替えをしていたところ,突然転倒した.同室にいたほかの褥婦よりナースコールがあり訪室したところ,意識は消失しており,四肢は痙攣していた.
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