臨床婦人科産科78巻7号

2024年07月発行

今月の臨床 臨床力をグッとUPさせる「貧血」の知識―鉄代謝の基礎から管理・治療の具体策まで 婦人科領域の貧血

女性アスリートの貧血の診かた

著者： 中村寛江¹ 能瀬さやか¹

所属機関： ¹東京大学医学部附属病院女性診療科・産科

ページ範囲：P.632 - P.636

●女性アスリートは複合的な要因で貧血になる可能性がある．なかでも頻度が最も高いのは鉄欠乏性貧血である．

●発育期や初経発来後には鉄需要が高まるため，ジュニア選手ではその点に留意する．

●治療は世界アンチ・ドーピング規定や，各競技会のルールに基づいて行う．

参考文献

1）「日本人の食事摂取基準」策定検討会：（2）微量ミネラル．日本人の食事摂取基準（2020年版）．「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書．pp311-373，2019

2）Damian MT, et al : Anemia in sports : a narrative review. Life（Basel）11：987, 2021

3）Kong WN,et al : Hepcidin and sports anemia. Cell Biosci 4 : 19, 2014

4）石田浩之：スポーツによる内科的障害．日本スポーツ協会指導者育成専門委員会スポーツドクター部会（監修）；スポーツ医学研修ハンドブック 応用科目，第2版．pp62-75，文光堂，2012

5）日本バイオサイエンス学会治療指針作成委員会（編）：鉄剤の適正使用による貧血治療指針，改訂第3版．響文社，2015

6）小清水孝子，他：中・高校生女性アスリートにおける利用可能エネルギー不足による無月経と貧血に関する検討．日臨スポーツ医会誌29：S221，2021

7）Heffernan SC, et al；The role of mineral and trace element supplementation in exercise and athletic performance : a systematic review. Nutrients 11：696, 2019

8）Houston BL, et al : Efficacy of iron supplementation on fatigue and physical capacity in non-anaemic-iron-deficient adults : a systemic review of randomized controlled trials. BMJ Open 8：e019240, 2018