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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科8巻10号

1954年10月発行

症例研究

3年間放置された陳旧副角妊娠破裂例

著者: 西潤次郎1 中里干昭1

所属機関: 1福島医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.590 - P.593

文献概要

緒言
 女性生殖器は発生学的には卵集を除いてすべてMüller氏管に由来しその癒合によつて生ずる。従つてその癒合障碍は子宮及び腔の重複奇形を発生せしめる。此の中Müller氏管の発育が一方のみ完全である場合は所謂副角子宮を形成するが,若し卵が副角内に着床すれば屡々危険症状を伴う。抑々副角妊娠に就ては1669年MauriceauとVassal1)によつて記載されたものが始めてであつて,Kuβmaul2),Justi3),Cetroni4),三谷5)等の詳しい報告があり,最近はWesiack6),Scholtz7),Fukas8),桜井9),安井10),藤島11)等の報告がある。三谷は27年間の調査中副角妊娠を3例経験し,中2例はその破裂により子宮外妊娠と誤診した例を,藤島等は同様典型的なる副角妊娠破裂により瀕死の状態に陥つた例を報告した。吾々は副角妊娠破裂が恐らく3年前に起つたと思われる稀有な例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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