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文献概要
原著
産婦人科領域におけるポントカイン(Pontocaine)腰椎麻醉法
著者: 長內国臣1 久保內美知子1
所属機関: 1警友病院産婦人科
ページ範囲:P.625 - P.633
文献購入ページに移動1.腰椎麻酔法の進展に伴うポントカインの価値
エーテル(1842),笑気(1844)及びクロロホルム(1847)等による吸入法で始まつた麻酔法はその後注射器の発明(1853)とコカインの発見(1860,Nieman)とにより局所麻酔法が可能となり,次いで1898年A.Bierにより腰椎麻酔法が創始されるに至つた。したがつて,現在既に50有余年になるが,この間,手技並に藥剤に対し盛んな研究検討が加えられ,より安全な簡易な麻酔法へと発達してきた。先ず手技の発達では当初のBier氏原法における一律的麻酔法から,現在の調節的方法へと進み,例えば麻酔剤の比重を重くして,体位の変動により麻酔部位の調節を計するが如きであり(Pitkin,1928;英,H.Johnes,1930及び独,Kirschner 1931),最近では無痛分娩として有名になつたAdriani(1946)のサドル・ブロックSaddle blockがある。またカテーテルを用いた調節的持続注入法Continuous spi-nal anesthesia (米,Lemon,1940,米Tuohy1944)も用いられ,さらにそのカテーテルを望む高さの蜘蛛膜下腔に送り込む脊髄分節既酔法,Segmental spinal anesthesia (米,Sagalad,1947)等が代表的である。
エーテル(1842),笑気(1844)及びクロロホルム(1847)等による吸入法で始まつた麻酔法はその後注射器の発明(1853)とコカインの発見(1860,Nieman)とにより局所麻酔法が可能となり,次いで1898年A.Bierにより腰椎麻酔法が創始されるに至つた。したがつて,現在既に50有余年になるが,この間,手技並に藥剤に対し盛んな研究検討が加えられ,より安全な簡易な麻酔法へと発達してきた。先ず手技の発達では当初のBier氏原法における一律的麻酔法から,現在の調節的方法へと進み,例えば麻酔剤の比重を重くして,体位の変動により麻酔部位の調節を計するが如きであり(Pitkin,1928;英,H.Johnes,1930及び独,Kirschner 1931),最近では無痛分娩として有名になつたAdriani(1946)のサドル・ブロックSaddle blockがある。またカテーテルを用いた調節的持続注入法Continuous spi-nal anesthesia (米,Lemon,1940,米Tuohy1944)も用いられ,さらにそのカテーテルを望む高さの蜘蛛膜下腔に送り込む脊髄分節既酔法,Segmental spinal anesthesia (米,Sagalad,1947)等が代表的である。
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