臨床婦人科産科8巻2号

1954年02月発行

診療室

Estropanの發情作用について

著者： 成田太¹ 渡邊胖¹

所属機関： ¹東北大學醫學部産婦人科教室

ページ範囲：P.85 - P.87

文献概要

1．緒言
　卵胞ホルモンに關する研究は，Allen＆Doisyの膣脂膏の角化現象に依り，その効力，單位を測定する方法を發見し，1936年にはPapanicolaouが婦人の腟脂膏に於ける性週期變化を記載して以來，腟脂膏を検査する事によつて，使用したEst-rog nの効果を判定出來る事が分つた。その後Mack（1942）,Walter（1949），Ayme（1949）等は腟脂膏のグリコーゲン染色の染色度合に依つてその婦人のEstrogenの分泌程度を知り得ると述べている。余は腟脂膏のグリコーゲン染色をBest's Carmin染色で行い，余の發案になる算式を用いてEstropanの發情作用を試みたので報告する。