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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科8巻6号

1954年06月発行

文献概要

原著

Diethylstilbestrol内服による習慣流産の治験

著者: 落合時典12

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科教室 2上都賀病院

ページ範囲:P.321 - P.325

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 習慣流産とは習慣性に3回又はそれ以上反覆して流産するものを言う。多くは早産をも含めて習慣流早産として取扱われている。その原因として従来から知られているのは母体の全身性疾患では梅毒が最も多く,之についで腎疾患,肺結核及び肋膜炎や喘息があり,心臟疾患,脚気も比較的多い。局所疾患としては子宮発育不全,子宮後屈症が多く,頸管裂傷,子宮及び附属器の腫瘍や子宮の奇形等がある。その他内分泌機能異常(殊に黄体ホルモン産生減退),ビタミン欠乏症,奇形卵等があるが不明の場合も少くない。
 原因の明かなものには子宮位置整復,整形術等夫々原因に適当した治療を施すことは申すまでもないが,臨床上しばしば遭遇しその治療に悩むのは今日の外観的検査では原因が解らないものに於てである。この中には卵巣機能不令や全身の異常ビタミン欠乏等があるに違いないから,研究の進むに従い次第に解明せられることと思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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