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海外文献抄録
文献概要
New York Lying-In Hosp.で1932〜1953年に78.529例の分娩があり,心臓疾患と診断されたのは2.932例(3.7%)で,この中29例(1%)が死亡した。心臓疾患で死亡せるものは26例全母体死亡の23%は心臓疾患によるものであつた。心臓疾患の90%はロイマチスによるものであり,更に約75%は僧帽瓣狭窄であつた。これらロイマチス性心臓患者の88%は軽症で妊娠による負担に耐えうるものであり,12%が重症であつて,代償不全及び死は明らかに妊娠による血液力学的負担に関係している。即ちロイマ性心臓疾患で死亡した22例中11例は分娩前,11例は分娩後で,分娩前の死亡は3ヵ月から8ヵ月の間に起つた。以上から妊娠時の重症僧帽瓣狭窄に対する処置として,1.妊娠による決定的な負担の減少,2.妊娠による副次的な負担を避けること(呼吸器感染,肥胖,貧血,腎盂腎炎,輸血,性交)3.妊娠中絶による絶対的な負担の除去,4.妊娠の絶対的及び副次的負担に対する心臓の能力の改善。これには過去に於て補足的治療が行われてぎたが,最近では僧帽瓣切開による直接的方法が行われている。現在この手術は次第に改善され,死亡率も1〜5%に減少している。
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