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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科9巻13号

1955年12月発行

特集 婦人科領域のAndrogen

子宮筋腫とandrogen療法

著者: 小川玄一1

所属機関: 1北海道大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.1101 - P.1107

文献概要

はじめに
 近年,内分泌学の新しい構想は,間脳—下垂体副腎系,或いは間脳—下垂体—甲状腺系というような新しい概念を導入し,その再編成を急いでいるようであるが,それはさておぎ現在臨床上内分泌疾患の発生,病理を老えようとする場合には常に上位性,下位性の概念の導入(Balance reaction)が緊要であるのは論を俟たない。
 従来,臨床的には子宮筋腫と脳下垂体,甲状腺副腎系疾患との相互関係は遺憾ながら余りに粗漏にとり扱われた憾がある。すなわちバセドウ氏病糖尿病,末端肥大症の患者がしばしば子宮筋腫を合併したという事実についてゞある。Tellは末端肥大症の患者の子宮内膜および筋層に肥厚を認め,Freudは婦人科疾患と甲状腺腫を併有する56名の患者の44名までに子宮筋腫を認め,Watterg—renは粘膜下筋腫別出後にバセドー氏病の治癒した例を報告した。v.Noorden もまた糖尿病の婦人がしばしば子宮筋腫を合併し,筋腫別出後,糖尿が消失した例を指摘した。さらに興味深いのは所謂,筋腫種族,筋腫家族,筋腫体質といつたことがらについて黛ある。筋腫は肉食する種族,エスキモー人(Bichet),バスト人(Fleming),ユダヤ人に発生率が高い。またある種の家族に高率書見出されるという報告がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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