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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科9巻13号

1955年12月発行

文献概要

特集 婦人科領域のAndrogen

Estrogen過剰症のAndrogen療法

著者: 松本清一1

所属機関: 1関東逓信病院産婦人科部

ページ範囲:P.1144 - P.1151

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1.Estrogen過剰症の意義
 estrogen過剰症(Hyperestrinism;Hyper-folliculinism)という用語は主としてフランスで用いられ,estrogenの過剰作用にもとずいて性器系並に性器外の諸器官に起る障害を意味している。(Béclère4)等)すなわちestrogenの過剰によつて性器系には子宮出血,月経異常,乳房腫脹などが現われる他に,性器外の諸器官,呼吸器,消化器,耳鼻,眼,神経系,骨,筋肉等や,脳下垂体,甲状腺,副腎などの内分泌器官などに色々の異常が招来されるというのであつて,その病因は主として諸臓器の血管拡張,浮腫,平滑筋のスパスムスなどによるものと考えられている。それによつて発来する症状としては,性器系では,殊に思春期,更年前期,更年期などに起る機能性子宮出血,無月経,月経周期の異常,経血量の異常,原発月経困難症,不妊症,不感症,性欲昂進症など,性器外では主として月経前期に発来する喀血,鼻出血,腸出血,頭痛,リウマチス,喘息,膀胱,腸等の攣縮,水分,カルシウム,糖質,脂質等の代謝障害,甲状腺機能低下,副腎機能障害,植物神経系の失調並に精神の興奮,ゆううつ,感情の不安定など種々の精神症状や,思春期,更年前期に見られる肥胖,更年期の乳腺症など,種々雑多な症状が挙げられている。(これに関しては佐藤56)が詳述している)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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