文献詳細
文献概要
原著
虚脱下地予知法としてのテブロン試験の再検討
著者: 齋藤辰二1
所属機関: 1東京医大産婦人科学教室
ページ範囲:P.411 - P.418
文献購入ページに移動I.緒言
腰椎麻酔(以下腰麻と略す)の下腹部手術に対する価値は,特に,完全腹壁弛緩を可能とする唯一の方法として,既に定評のあるものであるが,欠点として虚脱の危険を伴うことがある。
殊に中島(慶大)の調査によれば,全国の13.3%の病院に於て,虚脱による麻酔死が経験され,6777例中9例(0.132%)を示し,外科領域に於ける750例中1例という率を上回つている。又之を妊婦についてみるに,婦人科手術全体に於ては1000〜3000名に11の割合に比し500〜2000名中に1人という高い死亡率を示している。更に,帝王切開時麻酔死は,非妊患者の約10倍であると報告されている。
腰椎麻酔(以下腰麻と略す)の下腹部手術に対する価値は,特に,完全腹壁弛緩を可能とする唯一の方法として,既に定評のあるものであるが,欠点として虚脱の危険を伴うことがある。
殊に中島(慶大)の調査によれば,全国の13.3%の病院に於て,虚脱による麻酔死が経験され,6777例中9例(0.132%)を示し,外科領域に於ける750例中1例という率を上回つている。又之を妊婦についてみるに,婦人科手術全体に於ては1000〜3000名に11の割合に比し500〜2000名中に1人という高い死亡率を示している。更に,帝王切開時麻酔死は,非妊患者の約10倍であると報告されている。
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