文献詳細
文献概要
原著
新生兒黄疸の成因について
著者: 官川統1
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.478 - P.486
文献購入ページに移動はしがき
新生児黄疽の成因については,未だ客観性を有する定説は見られていない。即ち,或は溶血性説1)2)3),或は肝性説4)5)等,諸説多く,前世紀より産婦人科領域の迷路である事は,変りの無い事実である。然し詳細に,その頻度,経過を一考すると,本邦人では90〜100%3)5)6)に出現し,其の経過が生後2日目頃より10日目頃迄に互つており,加うるに生後赤血球数減少の見られる事等は,分娩時不明の一過性溶血性因子(以下H因子と略記)が出現し,其の二次的現象として本黄疸を発現せしめるものではないかと云うことを想像せしめるものである。余は此点を確めるために,以下一連の実験を試みた。
新生児黄疽の成因については,未だ客観性を有する定説は見られていない。即ち,或は溶血性説1)2)3),或は肝性説4)5)等,諸説多く,前世紀より産婦人科領域の迷路である事は,変りの無い事実である。然し詳細に,その頻度,経過を一考すると,本邦人では90〜100%3)5)6)に出現し,其の経過が生後2日目頃より10日目頃迄に互つており,加うるに生後赤血球数減少の見られる事等は,分娩時不明の一過性溶血性因子(以下H因子と略記)が出現し,其の二次的現象として本黄疸を発現せしめるものではないかと云うことを想像せしめるものである。余は此点を確めるために,以下一連の実験を試みた。
掲載誌情報