文献詳細
症例研究
文献概要
吾々実地医家は日常余りに受持つ症例が多いとつい診療業務が肉体労働的になり,慣れた診療行為を啻々機械的に繰返すことになり勝で,大学の医局時代のように割り当つた少数の症例の診療について充分研究し,又翫味する余裕がない場合が多いことは真に臨牀第一線に働く医家の悲哀であり,技能退歩の始まりと思つて常に自戒反省している処である。最近経験した下記症例は日常診療上に種々示唆する点があると思うので治療経過を略記してみることにした。
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