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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科9巻5号

1955年05月発行

文献概要

症例研究

月経瘻の1例

著者: 渡邊茂人1 佐野源治1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部婦人科教室

ページ範囲:P.569 - P.571

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はしがき
 Balliu (1928)1)は月経瘻とは「正常の月経と一定の関係をもつて周期的に出血を生ずる瘻を云う」と定義し,41例の中で帝王切開術後に発生せるもの32例,他は卵管妊娠の自然破裂,化膿性卵管炎,子宮腹壁固定等であると述べ,大部分は帝王切開術後に生じたことを報告している。
 その他,Halter (1927)2)を含む10数例の報告がある。本邦においては明比(昭5)3),川添,三好(昭16)4)遠矢(昭17)5)等の帝王切開術後の月経瘻及び永井(昭16)6),引地(昭24)7)等の帝王切開術後の子宮内膜症の数例の報告がある。吾女は某医により妊娠4ケ月の人工妊娠中絶及び広汎性腹膜炎により高位子宮体切断をうけ術後96日目術後初めての月経時及びその後の月経時に腹壁瘻より出血せる為,子宮卵管造影法により月経瘻と診断し,瘻管剔出術を行い全治し得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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