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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科9巻6号

1955年06月発行

原著

成長線の遺伝—男子を発端者としての観察

著者: 庄司忠1 林强爾1

所属機関: 1岩国病院

ページ範囲:P.605 - P.609

文献概要

緒言
 余等は,さきに妊娠線の遺伝に関し家系的調査を遂げ,その発生には明らかに家族集積性があり,且っ大多数のものに於て妊娠線の有るを優性因子,無いのを劣性因子とすれば娘の同胞間にMendel遺伝の法則に従い有無相分れて出る事実を認め,之を新しく提唱した。更に余等ほ今迄比較的報告の少い(GatesのHuman Geneticにも書かれてない)成長線而もその遺伝に関し調査した所を報告せんとす。
 成長線とは青少年期の発育肥満にっれ身休の—定部位に皮下断裂線を生ずるを云うのであって,女子に於ては比較的高率に見られ既に昭和18年小野氏の報告もあるが,男子に於てはその頻度甚だ低く唯僅かにSchulzeが6%を挙げているに過ぎない。多くほ大腿外側上部に見られ,而も最初赤色調を帯びているが数ヵ月後に於て白色の線条と化することは既に筆者の1人林が報告した所である。因みに経産婦腹部に発生する妊娠線は一種の皮下断裂線であって最初赤色調を帯びるがやがて白色の旧妊娠線と化する所これ軌を一にするものゝ様である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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