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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科9巻6号

1955年06月発行

文献概要

診療室

女子性器結核症に対するINAH子宮腟部注射療法

著者: 江口洋一1 西村宏2 関村正夫2

所属機関: 1国立宮城療養所婦人科 2国立宮城療養所内科

ページ範囲:P.620 - P.625

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 近年女子性器結核症の診断は比較的容易となりStreptomycin (SM),Paraaminosalicylsäure—Na,—Ca (PAS),Thiosemicarbazone (TBI),Isonikotinsäutehydrazid (INAH)等の化学抗生物質の出現により本症の治療は著しくその効果を挙げている。之等藥剤中SMは筋肉注射,PAS,TBI,INAHは内服藥として使用されるのが常道であるが,之等と性器に対し局所的に使用すれば更に効果を挙げ得るのではなかろうかと考えるのは当然で,既にSMは子宮腟部注射法,ゼリー子宮卵管内注入法,TBIは子宮内桿挿入法等が試みられ,INAHもゼリー子宮卵管内注入法が試みられている。Klee (1953)は2%INAH等張液を内科的に無刺戟的に使用し得ると述べているので我々は昭和28年2月より昭和29年2月に至る間,女子性器結核症と確定した患者10例に2%INAH子宮腟部注射療法を試み,治療経過並にその後の状態を観察し得た。又本症に対するINAH療法の報告は極く少くBarus, Smith, Snaith7)の43例を初めとしてNeuweiler, Roth1)の2例,貴家,他10名14)の3例,貴家,若林15)の6例の他Aguirre3),Bolognesi4),Pye5),Franheim6)等の少数例の報告しか見当らない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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