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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科9巻6号

1955年06月発行

文献概要

速報

去勢マウスの腟内注入によるEstrogenの生物学的微量検定(1変法)

著者: 藤井久四郎1 藤山融1 星野一正1

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.643 - P.645

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 Allen-Doisy(1923)がEstrogenテストを確立して以来,原則として去勢マウスまたはラッテの萎縮した腟粘膜上皮層を増殖させて腟内容に角化上皮を出現させる生物学的作用をもつものをEstrogenと名づけることはいうまでもない。
 通常の検体の場合はこの皮下注射法で差支ないが,微量の臨床材料,すなわち血液中のEstro-genを検出するには最低陽性量があまりにも大きすぎる。化学的定量法は尿については或程度臨床的に役立つが,血液については今日まだ甚だ困難である。したがつてAllen-Doisyテストを更に敏感な反応に改めることが要求される。検体の皮下注射ではEstrogenのマト(target organ)なる腟へ作用する濃度は低いから,また皮下注射では先ず全身血行に入り,主として肝内で不活性化されるホルモン量も少くないから,局所の腟内に直接作用させることによつて腟上皮に作用する濃度を高くしようという考えが当然起つて来る。Berger (1935),Lyon & Templeton (1936),Zondek & Sulman (1952),小林・中山(1952)などの腟内注人による微量検定法はこの考えから出発したものであることはいうまでもない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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