今度,『臨床検査』と云う月刊雑誌が発行されることになつた。数年前までは僅か一部の大病院だけで臨床検査を中央化しているに過ぎなかつたが,最近では日本中でかなり多数の病院が此設備を持つようになつて来ている。それと共に,臨床検査室で働く人々も次第に増して来つつあり,此の種の技術家の教育の普及が要望されるに至つている。
臨床検査室,これは内容から云うと臨床検査であるが,機構の上から見ると中央化した臨床検査と云う可きものであり,臨床の各教室で患者の診断,治療の上で必要な検査を,専門の学者,技術者がその高度の知識,技術を以て正確に,しかも迅速に諸検査を行い,その結果を臨床家に役立たせるわけである。