icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査1巻6号

1957年09月発行

文献概要

技術解説

pHの測定法(Ⅱ)

著者: 山賀礼一1

所属機関: 1東京医科歯科大学理工学教室

ページ範囲:P.359 - P.361

文献購入ページに移動
2.緩衝作用と緩衝液
 ある溶液に強酸または強アルカリを加えたとき,その溶液のpHが大きく変化する場合にはその溶液の緩衝作用は弱いといい,pHの変化が少いときには緩衝作用が強いという。溶液の緩衝作用が強いかどうかは,これを取り扱うものが常に注意しなければならない重要な事柄である。
 たとえば,同じpH3の塩酸と醋酸とを比較してみると両者のmol濃度はおのおの0.001および約0.5molである。これらの溶液それぞれ1lを苛性ソーダの0.001mol/lの溶液で中和するためには,前者はこの苛性ソーダ1lを必要とし,後者は500lを必要とする。すなわち同じpH3の溶液であつても,醋酸溶液の方が塩酸溶液よりも強アルカリに対して緩衝作用が500倍も強いことがわかる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?