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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻10号

1967年10月発行

文献概要

技術解説

比色分析における検量線—その作成と吟味

著者: 中山年正1 北村元仕1

所属機関: 1虎の門病院生化学科

ページ範囲:P.708 - P.714

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はじめに
 検量線の作成は化学分析の出発点にあたる。化学検査は体液化学成分濃度を「はかる」ことにあり,検量線はこのための「ものさし」にたとえることができるから,その作り方によっては結果に重大な影響をおよぼす。たとえば目盛の間隔が正しくとも表示が正確な値からずれていたり,または目盛の幅がちがっているようなものさしを使えば,計測値は一定の方向にはずれた結果となる。また使うたびにのびたりちぢんだりするものさしを使えば結果はバラツキとなってあらわれる。前者を正確度の,後者を精密度に関する誤差という。実際の検査においては,この2種の誤差が混在しているが,いずれも気づかれずにあやまった報告をしてしまうことが意外に多い。
 検量の尺度のちがい,すなわち正確度の差が,検査データのバラツキの原因としていかに重大であるかは,すでに1954年にWoottonらが国際臨床化学連合で実施した精度調査1)の結果から明らかになっており,最近の日本衛生検査技師会で行なった大規模な全国調査2)でも証明されている。後者では全国697施設に同一血清を配布し測定値を集計すると,きわめて大きなバラツキが示されたが,このとき同一の標準血清を共通の尺度として定量したところ,測定値の分布のくいちがいが大幅に修正されたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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