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心電図の読み方
著者: 岸本道太1
所属機関: 1国立東京第一病院循環器科
ページ範囲:P.715 - P.720
文献購入ページに移動 病院が大規模になり,その組織が合理化されるにしたがい,臨床検査は流れ作業的になり機械的になる傾向が強くなる。これは一面臨床検査の能率促進に役立っていることは否定できないが,また,一方においては個々の患者の特殊性ないしは重症度がややもすれば軽視されているうらみがある。心電図検査においてもその傾向はまぬがれず検査技師の中には慢然と機械的に患者の心電図を記録し,整理し,患者の状態に対する関心などはほとんど持っていないものも見受けられるようである。心電図その他の生理検査は他の病理,生化学検査のごとく物体,物質を取り扱うものとは異なり,生物しかも人格ある患者を取り扱うのであるから,患者に接する態度に気をつけると共に,患者の一般状態,臨床診断,治療状況に対する注意を絶えず払う必要がある。特に心電図においてその所見によってはただちに医師に報告し,指示を仰がねばならないことも多く,その点,ある程度の心電図判読の知識が要求される。この稿では,検査技師に必要な心電図のよみ方を概説し,特に医師に報告すべき緊急を要する所見について述べるつもりである。
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