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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻10号

1967年10月発行

文献概要

技術解説

交差適合試験に関する2,3の問題

著者: 村上省三1

所属機関: 1東大病院輸血部

ページ範囲:P.721 - P.726

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これでよいのか交差適合試験
 まかり違えばいのちと引きかえになるように大切な検査でありながら,これ程軽視されてきて,また今もって軽視され続けているものはあるまい。財政的にみても,これ程重要で,しかも時によっては専門的技術と知識を必要とする検査が,健保の取扱いでは輸血手技料の中に十把一からげに入れられてしまっている。そのためであろうか,ごく最近まで世間には権威ある大病院といわれているものの中にも,自己の責任でこの大切な検査をすることなく,血液銀行に下うけさせたり,血液銀行から派遣された係員にそのすべてをまかせていたところが非常に多く,むしろ交差適合試験は血液銀行がやるべきものだと誤解していた医師が数多かったようである。ところが交差適合試験は昭和27年に公示された"輸血に関し医師または歯科医師の準拠すべき基準"にも明記されている通り,輸血をおこなう医師の責任に属する検査である。もし交差適合試験の不手際がおきたとしたら,医師はどうなるであろうか。あれは血液銀行のミスだからとて罪をのがれることはできない。血液銀行にミスがあったとしてもそれを正しいと判定して輸血を実施したことによっておきる悪影響に対しては当然責任が生じてくる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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