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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻10号

1967年10月発行

文献概要

入門講座 病理

HE染色

著者: 畠山茂1

所属機関: 1東京医歯大医学部病理

ページ範囲:P.744 - P.744

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 ヘマトキシリン(Hematoxylin)は無色の植物性染料で酸化するとヘマテイン(Hematein)となり黄色調を呈する。酸化は空気中でも行なわれ(自然熟成),人工的熟成には種々の酸化剤(KMnO4,NaJO3など)が使用される。酸化しすぎると酸化ヘマテインとなり沈澱するので酸化剤の量はほぼ正確にせねばならない。たとえば1.0gのヘマトキシリンに対しKMnO4は177mg,NaJO3は197mgである。
 ヘマテインは酸性色素であるが染色性を欠除し明礬や鉄などの重金属とキレート結合させアルミニウムや鉄ラックをつくることによって始めて染色性が得られる。この際結合した重金属は酸性溶液で強い正荷電を示すので核酸の燐酸基と結合し核クロマチンを強く染める。明礬ヘマトキシリンラックはpH3.0以上で青色化するので単に流水洗や薄いアルカリ液で処理すると鮮明で安定した青色がえられる(色出し操作)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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