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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻3号

1967年03月発行

文献概要

入門講座 血液

抗凝固剤の種類と使用法

著者: 寺田秀夫1

所属機関: 1昭和大学臨床病理

ページ範囲:P.207 - P.207

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 臨床検査の目的で,いろいろな抗凝固剤(凝血阻止剤)を加えて血液を非凝固性にする必要がある。現在まで知られている抗凝固剤をまとめると表1のようになるが,作用機序によりおおよそ3つに分けられる。①血液中のCaイオンと結合して凝固を阻止するもの:クエン酸塩,シュウ酸塩,エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA塩)など。②トロンビンやフィブリノーゲンの作用を阻止するもの:ヘパリン ③プロトロンビンや第VII因子,IX因子を減少させるもの:ジクマロール,トロメキサン,フェニールインダンジオン,サリチル酸塩などである。このうち③の物質は血栓症や心筋硬塞などの治療にもっぱら用いられるものである。
 さて血液学的検査に適当な抗凝固剤の条件としては,乾燥型が使用に適し,少量で十分な抗凝固性を有すること。しかも安定な物質でかつ易溶性であること。滲透圧やその他の関係で血球成分を減少させたり,ヘマトクリット値を変化させたりあるいは血球成分の形態学的変化や染色性の変化をおこさせないことなどが必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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