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講座 臨床血清学講座Ⅶ
各論(3)—梅毒の血清学(A)
著者: 福岡良男1 安藤清平1
所属機関: 1東京医科歯科大学中央臨床検査部血清
ページ範囲:P.213 - P.217
文献購入ページに移動1.はじめに
1906年にワッセルマンによって梅毒の血清学的診断法が考えだされてから今日までの60年間の間に,カルジオライピン・レシチン抗原の単離Treponemaを用いる梅毒血清反応など幾多の輝かしい業績が発表された。
これは梅毒が全世界に常存し,その感染の影響が患者本人のみならず子孫にまで及ぶ病気であるからであろう。特に近年全世界において顕症梅毒が増加しつつあり,わが国においても同様な傾向が若い年齢層に目立って来た。最近結婚前に梅毒血清検査を進んでうけるようにという言葉が性病予防法のなかにとり入れられたことから考えて,日常検査における梅毒血清検査の役割はきわめて高いものと考えねばならない。検査を担当するものは,被検者の一生を左右する立場にあるということを再認識して,技術の向上につとめるべきであろう。
1906年にワッセルマンによって梅毒の血清学的診断法が考えだされてから今日までの60年間の間に,カルジオライピン・レシチン抗原の単離Treponemaを用いる梅毒血清反応など幾多の輝かしい業績が発表された。
これは梅毒が全世界に常存し,その感染の影響が患者本人のみならず子孫にまで及ぶ病気であるからであろう。特に近年全世界において顕症梅毒が増加しつつあり,わが国においても同様な傾向が若い年齢層に目立って来た。最近結婚前に梅毒血清検査を進んでうけるようにという言葉が性病予防法のなかにとり入れられたことから考えて,日常検査における梅毒血清検査の役割はきわめて高いものと考えねばならない。検査を担当するものは,被検者の一生を左右する立場にあるということを再認識して,技術の向上につとめるべきであろう。
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