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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻3号

1967年03月発行

文献概要

研究

Oxyphen試験紙(新pH試験紙)の検討—ことにガラス電極pHメーターによる成績との比較

著者: 福井定光1 富岡和実1 山崎邦子2

所属機関: 1奈良県立医科大学第一内科 2近畿臨床検査センター

ページ範囲:P.219 - P.222

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 pH測定は各種臨床検査に不可欠な手技の一つであって,実際検査室においては日々化学的測定にそれぞれ所要pHのBufferを使用しなければならぬ事が多い。したがってこれら各種のBufferを常に正しく整備することは正確なデータを提供する一要素であることはいうまでもなく,また種々の検体,尿,血清,穿刺液等のpH測定も目常茶飯の検査項目に属する。多忙な検査室としてはいかにすれば簡易で,しかもできるだけ正確にpHを測定でぎるかが問題とされる。今日検査室において最もしばしば用いられているpH測定法はガラス電極pHメーターによるものとpH指示薬による比色法ことにpH試験紙法の二つがあげられる。
 ガラス電極pHメーターは案外時間と手間を要するものであり,しかも電極の撰定,試量に応じた電極の大きさや型の配慮,供給電極の周波数の変動による誤差,電極の経時的変化,電極の洗浄不十分による誤差,等々細心な注意の下に実施しなければかえって大きなエラーを生ずるおそれがある。その点pH試験紙による方法は精度においてはやや劣ることはいうまでもないが(pH精度0.2〜0.5),操作簡単でしかも大きなまちがいは少なく臨床検査としての要求は十分満してくれるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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