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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻4号

1967年04月発行

文献概要

講座 臨床血清学講座Ⅷ

梅毒の血清学<B>

著者: 福岡良男1 安藤清平1

所属機関: 1東京医科歯科大学中央臨床検査部血清

ページ範囲:P.287 - P.292

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I.梅毒血清検査法の鋭敏度と特異度
 梅毒の血清学的検査法の種類とその組合せについては前回に述べた。多数の検査法の中からいくつかの検査法をえらぶ場合には,各検査法の特異性と反応性がすぐれており,術式が比較的簡単であり,経費が余りかからず特殊な設備を必要としない検査法をえらぶべきである。しかもこれらの検査を組合せた場合にいかなる梅毒抗体をも検出できるものでなければならない。これらの条件の中では検査法の特異性と反応性の問題が特に重要である。梅毒患者では必ず陽性となり,梅毒に罹患していない人では必ず陰性になる検査法が理想的であるが,このような検査法は一つもない。そこで梅毒患者の陽性率(鋭敏度という)と,梅毒でない人の陰性率(特異度という)が比較的高い検査法で我慢しなければならない。わが国で最も広く行われている緒方法,ガラス板法,梅毒凝集法は鋭敏度も特異度もすぐれた検査法であることが証明されている。昭和27年に行われた各種梅毒血清検査法の比較実験の成績を表1,2に示した。
 Treponema (Tpと略す)を用いる検査法はわが国ではまだ余り行われていないので,その鋭敏度と特異度に関する報告は少い。皆見らのSTS, RPCFテストおよびFTAテストの比較成績を表3に示した。RPCFおよびFTAテスト以外のTpを用いる検査法の鋭敏度と特異度を知るためにアメリカの成績を表4と5に示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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