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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査11巻7号

1967年07月発行

雑誌目次

グラフ

肉眼標本の見方<4>—腫瘍(II)

金子 仁

pp.464-465

 腫瘍を一言にして定義すれば,細胞の自律的増殖である.すなわち自分勝手に,相手の存在を無視して増殖をつづける病変である.腫瘍には,悪性腫瘍と良性腫瘍がある.悪性腫瘍は成長が速く,転移(原発した部より他の臓器,組織に"とび火"をすること)があり,組織を破壊し,ついにはその個体を死にいたらしめる.良性腫瘍は成長も遅く,組織を破壊すること少なく,個体を殺すこともない.腫瘍を発生組織から分けると上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍とに区別される.上皮性悪性腫瘍を癌腫,非上皮性悪性腫瘍を肉腫という.今回は癌腫のうち最も多い,胃癌,子宮癌,肺癌,乳癌と他に食道癌,皮膚癌をのせる.

最近の臨床検査機器

樫田 良精

pp.467-474

 臨床検査に使われる機器は,中央検査室システムの導入と共に急速に普及発達し,今日入手できる機器の種類は非常な数にのぼっている。これらの機器の新しいものについては部分的に本誌でも機会ある毎にとりあげられているが,ここでは本号の綜説の参考として臨床検査機器の全般にわたって代表例を掲げて,わが国の主な動向を示すことにした。自動包埋装置,自動研磨器,自動分注器などは本誌で最近とりあげられたばかりなので割愛した。この写真は東大病院の中央検査室の実例を中心にまとめたものである。

綜説

臨床検査機械の進歩—わが国の最近の動向を中心として

樫田 良精

pp.475-481

まえおき

 臨床検査法の最近の急速な進歩と,この新しい方法の日常診療への活発な導入は,いろいろな意味で今日の医療の姿を大きく変えつつあるが,このことは中央検査室システムや簡易検査法の普及していなかった頃の状態を顧みれば,明らかである。しかしながら各種の臨床検査の日常化・集中化の発展は単に新しい臨床検査機器の開発にとどまらず,さらに検査システムの自動化の方向へ進んでおり,近い将来において,広義の臨床検査機械は医療施設近代化の大きな柱としていっそうの飛躍をとげるものと予想される。

技術解説

オートアナラィザー—その保守と点検

笠原 政幸

pp.482-486

はじめに

 オートアナラィザー(以下AAと略記する)は一般にSampler(試料盤),Proportioning Pump(比例秤量ポンプ),Dialyzer(透析槽),Heating Bath(加熱槽),Colorimeter(比色計).Recorder(記録計)で構成されている。以下この基本的なAA一式の保守,点検について述べよう。詳しくはテクニコン社のマニュアルに記載されているので参照されたいが英文であり,しかも煩雑である。したがってアメリカン・コマーシャル株式会社発行の「オートアナライザー修理法」を参照されるとよい。ここでは必要最少限度の範囲にとどめることにする。なお,修理の技術的な面については省略し,他の機会にゆずる。

 日本,アメリカで初期に発売された機械が今なお,検査室で使われている事実から,保守,点検に十分留意すれば長期の使用に耐え得る機械であると考えられる。

梅毒補体結合反応—緒方法<2>—操作法と結果の検討

横山 芳郎 , 江口 雪子

pp.487-492

実際の操作法とその意義

I.抗体

 抗体として血清を4倍に稀釈する意義:以前は血清を10倍稀釈にして用いており,現在でもそのように指示している解説書もある。しかし近年では4倍稀釈でおこなうところが増加している。抗体を鋭敏に検出するにはなるべく濃い血清を用いるほうがよいことは言をまたない。しかし血清には抗補体性物質が含まれており,そのためにある程度稀釈して抗補体性の影響を少なくしないと検査判定がむずかしくなる。徳永2)は11.39倍稀釈以上で抗補体性を示すような血清は59例中3例であって5.1%にすぎず,それゆえこのあたりを基準にとればまず検査に大きい支障をきたさぬと考え,計算に便利なように10倍稀釈と定めた。血清の抗補体性を高める原因には保存の状態と保存日数が大いに関係がある。徳永の研究は昭和28年であるが,その後血清の保存管理法も改善され,血清の抗補体性にたいする問題にさほど神経をつかう必要もなくなってきた。昭和35年に緒方ら3)は反応の鋭敏度を高めるため,血清を4倍稀釈でおこなうことについての系統的研究を発表した。血清濃度をあげるためにはいろいろの制約がある。すなわちi)血清の抗補体性の問題,ii)不活性化血清中の補体の耐熱成分が反応に与える影響,iii)血清中の正常抗ヒツジ溶血素などがそれである。

講座 臨床血清学講座Ⅹ

各論(6)—免疫血液学的検査(B)

福岡 良男 , 安藤 清平

pp.493-498

I.新生児溶血性疾患

1.新生児溶血性疾患の概略

 胎児が母親にない血液型抗原(父親から遺伝されたもの)をもっている場合に,母親はその血液型抗原によって免疫され抗体を作ることがある。たとえばD陰性の母親がD陽性の胎児赤血球によって免疫され抗D抗体をつくるような場合がある。この抗体のうち非定型抗体(lgG抗体)は胎盤通過性があるので母親から胎児の血中に移行し,胎児赤血球と結合する。この抗体と結合した胎児赤血球は脾臓で捕捉され次々と破壊されるので貧血と黄疸が起こってくる。これを新生児溶血性疾患という(以前は胎児赤芽球症といった)。重症の場合には胎内で死亡したり流産することもある(図1)。

 新生児溶血性疾患はRh式のD因子不適合とABO式の不適合の結果おこるものが大多数である。ABO式の場合では母親が0型で胎児がA型またはB型の組合せが多い。しかし母児間にこれらの型の不適合があっても必ずしも新生児溶血性疾患がおこるとはかぎらない。D因子の不適合があっても第1子ではほとんど本症はおこらなく,つづいて第2子で不適合があった場合に約5%位が罹患するにすぎない。ABO式不適合による新生児溶血性疾患はD因子不適合によるものに比し症状が軽くて見逃されがちであるが,母児間のABO式不適合が予測された中で実際に交換輸血を必要とするものは50〜100人中1人であるといわれている(官川統,日本医事新報No.2217:130,1966)。

講座 臨床生化学講座Ⅳ

血漿タンパク質

松田 誠 , 藤沢 洌

pp.499-504

I.血液のタンパク質

血液の構成をみると

 血液{水分—血漿{血清フィブリノーゲン有形体{赤血球白血球血小板}血餅のごとくで,全血の総タンパク量は平均22%をしめ,その2/3(約15%)は赤血球にふくまれるヘモグロビンであり,1/3(7%)は血漿タンパク質にもとづく。ヘマトクリット数(全血に対する有形体の容量%)は男45%,女41%で(重量%にすると50%をこえる),血液の約半量は血漿からなる。赤血球のタンパク質は大部分がヘモグロビンからなっているが,血漿中のタンパク質は非常に多くのタンパク質の複合体からなり,単純蛋白質,脂タンパク(リポプロテイン),糖タンパク(グルコプロテイン)をはじめ,抗体,酵素,ホルモンとしての機能をいとなむ種々のタンパク質がふくまれている。図1に血液中のいくつかのタンパク質の大きさを比較してしめした。

展望

公衆衛生検査と臨床検査

芦沢 正見

pp.506-507

公衆衛生検査の問題点

 公衆衛生検査と臨床検査はそれぞれ近代の公衆衛生および公衆衛生学,医術および治療医学の進歩を実質的に支えてきている技術であることはいうまでもない。臨床検査とは何かということは説明を要しないほど自明であるが,公衆衛生検査の方は社会防衛上の行政技術として生まれ,発達したものであり,はじめから公的機関の業務として存在していた点が臨床検査と異なる点であろう。検査の対象も,人体に向けられたより,当初はむしろ不良不純の医薬品,食品の検査,空気,水の検査などの生活環境に向けられていたといえる。わが国の衛生試験(研究)所のはじめは明治7年に東京府下に設けられた司薬場にさかのぼる。明治23年の司薬場官制から業務内容をうかがうと次のようである。

カンボジアだよリ

偉大さと奇怪さクメール文化の遺跡—派遣検査技師の現地報告(3)

加藤 哲

pp.508

 カンボジア正月(チョーチナム)は四月です。今年は十三日から三日間です。正月といってもバナナの軸を輪切りにしたものや,砂盛りした器に切細工した色紙などをつけた棒を立て,線香をそなえたものが門口に作られる位で,その他特別変ったものは見られません。最も正月を特徴づけるものはこの間賭博行為が許されることでしよう。それから多くの人はアンコールへ参詣に出かけます。

 アンコール(王都の意味)の遺跡は600km2にわたって散在しており,1861年標本採集のためジャングルに入ったフランスの学者アンリムオは死の静寂に眠る石の大殿堂を見て蜃気楼ではないかと目をこすったそうですが,クメール文化の偉大さと怪奇さにはだれもが圧倒されてしまいます。その一つであるジャヤヴァルマン七世によって建てられた第四次王都アンコールトムは一辺3kmの正方形の中心にバイヨン廟(戦死者の霊をとむらう納骨堂)がありそそり立つ50の塔と172の顔が,モナリザのごときなぞの微笑をたたえ,異様な雰囲気をかもし出し,芸術的建築遺跡としてもまさしくトム(大きいという意味)でありましよう。このバイヨン廟の第一回廊の壁面にはほかと違って当時の庶民たちの生活がぎっしりとすばらしくレリーフされているのです。

入門講座 生理

一般肺機能検査<1>

宮沢 正治

pp.509

 スパイログラフィはレスピロメーターさえあれば簡単に実施でき,また肺機能障害のスクリーニング検査にも用いられる肺機能検査法である。

 レスピロメーターには種々あるが,ここでは広く用いられているBenedict-Roth型呼吸計について説明する。

入門講座 細菌

Widal反応とWeil-Felix反応

高橋 昭三

pp.510

 いずれも,細菌浮遊液を抗原とし,患者血清中の抗体量をしらべ,感染症の有無を診断する検査法である。

入門講座 血清

補体結合反応

松橋 直

pp.511

 前回に述べたように補体は,抗原と抗体とが抗原抗体反応を起こして抗原抗体複合物ができると,これに結合する性質がある。したがって,抗原と抗体とを反応させるとき補体を存在させておき,抗原抗体複合物に補体が結合したことを,感作赤血球を後から入れて溶血がおこるかどうかで知れば,抗原抗体反応がおこったことを見る有力な方法となる。この考えを実現したのがボルデー(Bordet 1901)で,後にワッセルマン(Wassermann 1904)が梅毒の血清学的検査法に応用したので有名になった,今日でももちいられている補体結合反応(Complement Fixation Test 略CFT)である。ビールスの血清学的反応の他,種々の抗原抗体反応系に応用されている。

入門講座 病理

薄切(1)

畠山 茂

pp.512

 パラフィンの薄切はそんなに難かしいものではない。メスに刃がついていてブロックが良く,ミクロトームを慣れた人が適当にsetしてやれば初心者でも容易に切れるものである。しかしそれらを自ら点検して自由に切れるだけの力量を得るには,何をおいても注意深く数多く切ってみるよりほかはない。連続切片作製や大型切片薄切などの技術は,地道な通常切片薄切の経験の上に積まれるべきものである。

 メスが切れるかどうかは,研いだメスの仕上がりをいつも顕微鏡で鏡検する癖がついているとちょっと指裏で触れてみるだけで判定できるようになる。切れないメスは,大低刃先が丸刃または蛤刃になっているためで,段々になっているのが鏡検され指裏の吸いつきがわるい。最近は両面が平面に仕上っている凍結切片作製用のメスがはやっており両面を平等に研ぐと裏表の区別なく使える利点があるためメス方向を逆にすることにより全長にわたって使用できる。また自働研磨器の普及によって長さ20cm以上のメスも容易に研ぐことが可能なのでメスもしだいに大型化し標準の17cmより大きなメスが多く使用されるにいたっている。メス研ぎのさい注意すべきことは,研ぎ鞘を使用する場合はまず鞘はきまったものを使いかつ固定位置を常に一定にしておくこと,自働研磨器の場合も刃先の角度を一定にして蛤刃にならないようにすることであろう。メス研ぎに関しては臨床検査10巻4号(内海)にくわしいので参照されたい。

入門講座 血液

栓球算定法

寺田 秀夫

pp.513

栓球と血液凝固

 栓球は骨髄中の巨期球から生成される最も小さな血球(2〜4μ)で,血液凝固に重要な関係をもつもので,すなわち下記の4つの因子を有するほか,毛細管抵抗の維持に,また血餅退縮因子をも有して止血に重要な働きをしている。栓球第1因子:プロトロンビンがトロンビンに転化する相に作用する。栓球第2因子:フィブリノーゲンがフィブリンに転化する相に作用する。栓球第3因子:血液活性トロンボプラスチンの生成に関与する。栓球第4因子:抗ヘパリン作用。

入門講座 生化学

対照のおき方

松村 義寛

pp.514

 試薬の純度があまりすぐれたものでないことは前に述べた。そのために試薬中の不純物の影響で検査が妨害せられることがある。たとえば標準液では発色がうまくいき検量線は直線となって原点を通るきれいなグラフが画けたのに生体試料に対しては呈色が思わしくなく,正常な試料と考えられるのに値は異常なことになるというようなことが起る。これは試薬中の不純物が標準液とは反応しないのに生体試料中の目標物質以外の成分と反応して結果を妨害するためであることがよくあるためである。

 試薬は同じメーカー,同じロットのものは同じ性質であるが,ロットが異なると性質がちがい,メーカーが異なるといちじるしく異なることがある。

入門講座 各科共通

消毒法—検査室感染予防法

館野 捷子

pp.515

 検査室では,当然,検体として病原材料を取り扱うしまた取り扱わねばならない。そのため,たえず感染の危険にさらされているといっても過言ではないだろう。病原材料の取り扱いによっては,自分だけでなく,同室者あるいは,外部の者にまで,感染の危険がおよぶこともあるので,十分注意しなければならない。検査技師にとって,検査室内感染の発生は,もっとも恥ずべきことと老え,慎重に検査の仕事を進めなければならない。検査室内感染としてみられるものは,細菌では,結核菌,チフス菌,赤痢菌,レンサ球菌などがあり,リケッチアではつつがむし病リケッチア,ウィルスでは肝炎ウィルス,原虫では赤痢アメーバなどである。細菌検査室以外の検査室でも,臨床材料に病原菌が含まれると考えられる場合,一般の急性伝染病や不明熱性疾患の検体などの時とくに注意する必要がある。まず検査室内感染の原因となる事柄を考えてみよう。

検査室メモ

急がば廻れ鞭毛染色のコツ

広明 竹雄

pp.516

 世はまさに原子の時代。われわれを取りまく全てがスピーディになり,必然的に生活のテンポも早められつつある。しかし自然のテンポ,地球の自転と公転は,過去未来ともに変ることはないであろうし,この自然の中での草木の生育期間は古代から変化していない。つまり,われわれの生活は,この大自然の永遠のリズムと,加速的な人工のリズムとの調和の中で営まれていることになる。そして人々の心は,より充実したものを求めるために,より生活のテンポを早め,よりセッカチになりつつあることも事実であろう。

 臨床検査の分野においても,オートアナライザーやオートテクニコンを使用したり,加温または酵素を添加し化学反応を大幅に促進することによりて,能率をより良くし得る場合もあるが,その反面,細菌やウイルスの培養時間を短縮することはほとんど不可能に近い。つまり自然のリズムに逆らうことは無益に等しいのである。しかし,われわれは無意識にこの自然のテンポを無視して失敗し,無駄骨を折っている場合が意外に多いのではなかろうか。その好い例に鞭毛染色がある。成書をみると鞭毛染色法は箇条書きにされ,染色液の処方も懇切丁寧に述べられている。だが,いくら忠実に示された通りの手技を億どこしても,おそらく鞭毛は染まらないであろう。

第9回衛生検査技師国家試験(昭和42年度)—問題(模範解答は94ページ)—その1—

pp.517-529

公衆衛生学

 問題1次のうち誤っているものはどれか。

 1.最近,し尿浄化槽やビルの地下汚水槽からコガタアカイエカの発生が多い。

国家試験問題模範解答—その1

pp.538

<公衆衛生学>

1(1),2(5),3(1),4(3),5(5),6(2),7(4),8(4),9(1),10(2),11(3)12(2),13(3),14(4),15(2)

研究

Fe-Test,Cu-Testの使用経験

渡辺 富久子 , 飯田 角治 , 垂井 清一郎

pp.530-532

 臨床化学技術の進歩と共に,従来研究的にのみ行なわれていた多くの測定が,ルーチン化する傾向を示している。各種疾患の診断,治療効果の観察および予後判定上重要な,血清鉄,銅の測定も広く要望されるようになってきた。しかしながら試薬の調製,器具の洗浄,精製水の問題など,いろいろと困難な面が多く,日常検査としてはあまり普及されていない。最近キット製品が市販されるようになり,比較的簡単にその測定が可能となってきたが,われわれは市販品の一つである,和光純薬製のFe-Test,Cu-Testについて検討したので,その結果を報告する。

Naphthol AS-MX Phosphateを使用する白血球Alkaline Phosphatase染色におよぼすAnticolot/ETの影響について

末武 清子 , 竹中 守人

pp.533-535

I.はじめに

 近年白血球の細胞化学が発達し,白血球ペルオキシダーゼ染色と並んで白血球アルカリ性フォスファターゼ(AP)染色も日常血液検査として重要視されるようになってきた。特に慢性骨髄性白血病で特異的に低値を示すことはMeislin1)3)4)5)9)らによって発表され,また診断上本疾患と鑑別の困難な類白血病反応は高値9)を示すことより両疾患の鑑別には非常に有用の検査1)3)4)5)9)とされている。その他,再生不良性貧血4),真正多血症4)において高値を示すことも発表されており,白血球APの診断的意義もしだいに明らかにされてきた。

 AP染色法について多数の報告2)3)5)9)8)が見られるが,私達は数年前よりKaplow法8)を使用していたが,この方法はWachstein法9)に比較すると操作法も簡便であり日常検査として実施するには便利な方法であったがAP顆粒が瀰蔓性に染まる点より結果判定上相当の熟練を要し,また再現性においてもやや乏しい感を抱いた。

C反応性蛋白検査としてのC-Reactive Protein-Latex Test(Sylvana)について

小林 稔 , 金山 昭平

pp.536-538

はじめに

 CRP反応は非特異性反応ではあるが炎症性疾患およびその他組織の崩壊をきたす疾患などの存在を指示するばかりでなく鑑別診断上参考になるのでroutineの試験として最も頻度の高いものの一つである。従来わが国で実施されているCRP反応は毛細管沈降法(以下毛管法)であって試薬もDifco社はもとより国産品としても幾種類かの会社から販売されている。

 一方抗CRP抗体をポリスチロールラテックス粒子に吸着させ患者血清中のCRPを凝集反応の形で検出する方法も行なわれscreeningとしてばかりでなく定量的にも合理的であるとしてとりあげられてきた。

私のくふう

オストワノレド型メスピペットについて/血清糖蛋白呈色反応方法の改良について

鈴木 武雄 , 松村 義寛 , 近藤 雅敏

pp.539

 中小病院の生化学室では,1人か2人の技師,まして小さな診療機関では,1人の技師が,同一検体について数種の試験を短時間で消化しなければならない。

 私は,オストワルド型メスピペットを考案し,現在実施しその効果をあげています。図のごとき全長28cmで,0.05,0.1,0.15mlの3種の目盛を有するピペットで,血清0.1ml加えるKunkel試験のように呼気が試料に接触してはならない場合は図のB部分の0.1ml,吹き出しを許される試験には,A部分の0.1mlを用います。

Glossary≪18≫—「循環器」関係(5) フリーアクセス

横山 芳郎

pp.505

posterior infarction後壁硬塞

septal infarction心室中隔硬塞

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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64巻9号(2020年9月発行)

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60巻3号(2016年3月発行)

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今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
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59巻12号(2015年11月発行)

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今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

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59巻10号(2015年10月発行)

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59巻6号(2015年6月発行)

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今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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