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文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻9号

1967年09月発行

文献概要

特集 小児の検査

ウイルス疾患の補体結合反応

著者: 堀誠1

所属機関: 1国立小児病院感染科

ページ範囲:P.647 - P.652

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はじめに
 補体結合反応は,今日多くのウイルス病の診断に対し,もっともしばしば用いられ,かつ有効な血清学的方法である。これは中和抗体の測定に比較すれば,より簡単に多数の検体を同時に,また多種類の抗原に対しても行ないうる。さらに中和抗体よりも早い病日に抗体を証明することができ臨床的にウイルス病の診断には最も一般化している。
 補体結合反応は,正しく測定されたいろいろの反応因子が,互に所定の量で作用した時,はじめて満足される成績がえられるので,反応因子と考えられる抗原,抗体,血球,溶血素,補体の吟味,保存法,試験方法などすべて本反応の目的にそって行なうのが重要である。疫学的調査の場合のように,目標がある限られた抗原にしぼられているときには,抗原の材料などにそれぞれに適した方法を考えなければならないが,臨床で用いる場合には,同じような症状をしめす疾患—たとえば,感冒様の症状をしめす疾患—から,特定の原因,たとえばアデノウイルス,エコーウイルス,コックスサッキーウイルス,ポリオウイルスなどをさがし出すために,またはある特定の疾患の罹患を否定—たとえば夏かぜ症候群の患者において,ポリオウィルスの罹患を否定—するために行なうので,実施にあたっては,できるかぎり多くの抗原を用いる必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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