icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査11巻9号

1967年09月発行

文献概要

入門講座 血清

間接凝集反応

著者: 松橋直1

所属機関: 1東大医学部血清学

ページ範囲:P.678 - P.678

文献購入ページに移動
 蛋白,多糖類,脂質などを抗原とする抗原抗体反応の中には,沈降反応や凝集反応をおこしても感度が弱かったり,また沈降反応や凝集反応の形式のものが見られないものがある。しかし,この反応系で,抗原を赤血球,あるいはそれと同程度の粒子に吸着させて抗体と反応させると明瞭に凝集反応の形式で,しかも高感度をもって観察することができるものがある。たとえば,結核症患者の血清とツベルクリン抗原との間では沈降反応はほとんど起こらないが,ツベルクリンを赤血球に吸着させ患者血清と反応させると凝集がおこる(Middlebrook-Dubos反応)。このように,抗原性をもつ物質を細菌ないし赤血球程度の大きさの粒子に吸着させてから抗体と反応させ,凝集反応の形で観察する方法を間接凝集反応(Passive agglutination,赤血球をもちいるときは,Passivehemagglutination)とよんいる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?