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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻11号

1968年11月発行

文献概要

入門講座 細菌

カタラーゼ試験とオキシダーゼ試験

著者: 橋本雅一1

所属機関: 1東京医歯大・微生物学

ページ範囲:P.812 - P.812

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カタラーゼ試験Catalase test
 カタラーゼは鉄ポルフィリンを含んでいる酸素で,過酸化水素を次のような過程で水と酸素に分解する反応を触媒する。
カタラーゼ2H2O2—→2H2O+O2
 多くの細菌が基質を酸化するときに,その最終産物として過酸化水素が産出されるが,この成分は強い細胞毒であるので,この成分が蓄積すれば細胞は死滅していく。たとえば,嫌気性菌はカタラーゼを持たない。したがって,この菌が酸素の存在下で営む代謝によって過酸化水素が産生されても,れこれを分解できないので死んでいくことになる。乳酸菌もまた,この酵素を欠いている。一般的に言って,多くの好気性菌および通性嫌気性菌はカタラーゼ活性を示し,特にチトクロムを豊富に含んでいるリン菌,その他のナイセリアは強い陽性を示す。そのほか,臨床細菌学的には,カタラーゼ試験陽性であるペスト菌,結核菌,赤痢菌でも,無毒ペスト菌やINH耐性結核菌では反応が弱くなり,また赤痢菌でもA群は陰性であるということが注目される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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