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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻2号

1968年02月発行

文献概要

入門講座 生化学

比色分析法の特徴と注意点

著者: 小延鑑一1

所属機関: 1京都大学付属病院中央検査部

ページ範囲:P.117 - P.117

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 比色分析は一般には試料溶液に適当な試薬を加えることにより,目的とする成分(物質)を着色化合物にして,その色調の強さを光電比色計で比較測定する分析法である。着色化合物の溶液が固有の色を呈するのは,その溶液が波長によって異なった吸収を示すことによるもので,白色光が透過した場合,ある波長域の光が吸収されるとそれ以外の波長一すなわち溶液は吸収した光の余色を呈することになる。光の吸収が可視領域で行なわれるような溶液について,白色光を透過せしめてその色調の強さを比較定量するのがいわゆる比色法であり,肉眼では可視光線のみしか観測することができないが,受光部に光電管などを用いると波長領域は紫外から赤外の領域にまで拡張できる。そして比色を単色光ないしはきわめて狭い波長範囲の光を用いて行なうと,分析の精度は高くなるほか種々の利点が生じてくるのである。
 比色分析法は,その利用している化学反応一呈色反応一が鋭敏であるために微量分析法に適しているのみならず,その化学反応などの操作の点からも迅速に分析を行なうことができる特徴をもっている。このようなことから臨床化学分析のほとんどがこの比色分析法により実施されているのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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