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文献詳細

雑誌文献

臨床検査12巻9号

1968年09月発行

文献概要

特集 成人病検査

ネフロンの機能

著者: 杉野信博1 高岩謙之1

所属機関: 1日大・大島内科

ページ範囲:P.667 - P.671

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はじめに
 人間の両腎は機能の基本単位をなすネフロン(nephron)を約100-125万個もち,尿の生成はこのnephronにより行なわれている。nephronは腎小体(renal corpuscle),またはマルピギー氏小体(Malpigian corpuscle),近位尿細管,Henle氏係蹄,遠位尿細管より成り,さらに多くのnephronが集って集合管を形成し,数本の集合管が1本つBellini氏管となる。
 尿の生成に関しては,すでに約100年以上前より3つの相異った腎の過程,すなわち糸球体における限外濾過,尿細管における再吸収と分泌が,大きな役割と成していることが知られていた。特にLudwigおよびCushnyは,糸球体濾過および尿細管の再吸収を最も重要な過程と考えたのに対して,BowmannおよびHeidnheimは糸球体および尿細管の分泌を唱えたが1900年代に入りRichardsおよび協同研究者が1921年にmicropuncture法**を用いて糸球体の限外濾過の役割に関する証拠をつかんで以来,尿細管の役割に関しても,その後の研究,特にmicropuncture法の応用によりその機能が明らかにされてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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