梅毒病原体(Treponema pallidum;TP)を検出する場合,検出方法にそれぞれ特徴があって,病期によって適当なものを選んで行なったほうが検出率はよい.初期梅毒においては,局所の材料からの暗視野顕微鏡法が最もよいと思われる.2期疹のような発疹になるとTPの組織鍍銀法がよく,その検出率の高いことがわかっている.
ここにあげた標本は,実験梅毒ウサギの皮膚と睾丸を材料としたもので,技術解説(929ページ)にあげたTP検出法をそれぞれのせた.すなわち暗視野顕微鏡標本,組織凍結切片螢光抗体間接法,組織Levaditi鍍銀染色法,組織岐阜大学鍍銀染色法である.