icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻12号

1969年12月発行

文献概要

ひろば

ヒントをストレートにためしてみる

著者: 村田徳治郎1

所属機関: 1ベトレヘムの園病院検査科

ページ範囲:P.1041 - P.1041

文献購入ページに移動
 チャンスということは前髪があって,あと髪のないようなものだという.対面にくる時はつかまえることができても,うしろ向きでつかまえることはむずかしいという.私は以前から毎月定例のいっせい結核培養検査の際,喀痰のパンピングに培養検査全体の時間の60-70%を占めてしまう.小川培地を使用した場合,4%NaOHで喀痰の前処置を行なうが,濃厚な粘性の痰ではどうしても量的関係のバランスをとることがむずかしくなる.
 この点に何らかのくふうが必要だと思っていたが,これというヒントもなく,またできるだけ参考書など目をとおしていたが,臨床上活用できそのうえ自分の検査室で利用できそうな方法は,これといって見つけることができなかったが,ある日試験台のうえでバーナーに石綿をしいて培地を溶解している操作から思いついて,早速恒温水槽を40℃−45℃程度にして,15-20分加温した濃厚痰の結果を調べてみたが,濃厚痰については,さほどの変化はなかったのでさらに4%NaOHを等量加えてみたが,やっぱり思うほどの効果成績は得られなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?