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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査13巻13号

1969年12月発行

雑誌目次

カラーグラフ

喀痰の細菌叢

高橋 昭三

pp.1216-1217

 健康人の痰,咽頭粘液は,非病原性ナイセリア,緑色レンサ球菌が大部分を占め,大腸菌,ブドウ球菌,コリネバクテリウムなどの少量を含むことが知られている.痰の細菌叢の異常は,ここに現われることのない病原菌の出現とか,常在菌中の通性病原菌の激増として観察される.

病原菌としてはA群の溶血レンサ球菌,ジフテリア菌などであり,大腸菌群,ブドウ球菌,カンジダなどではそれが著しく増加し,時には純培養状となって現われる場合が多い.肺炎球菌の場合は多量に出現することが多いが,時には,全体として最も多数というにすぎない場合がある.ヘモフィルスも同様である.

グラフ

寄生虫卵の集団検査

鈴木 黎児

pp.1219-1223

 全国に31の寄生虫予防会支部がある.その支部の検査室では大量の検体を処理している.検体の集め方,標本の作り方,鏡検の方法もすべてが大がかりである.しかも信頼のおける能率のよい経済的な検便・検査方法を編み出すために,独特なくふう・研究がなされている.その一部を知っていただくために,東京寄生虫予防協会の検査室にカメラを持ちこんでみた.寄生虫卵の検査のほかにも集団検査を若干ご紹介する.

自動分析機の動入

斎藤 正行

pp.1226

 自動分析機械を購入したが,それを設置する場所がなくて困っているところはありませんか.また,機械を入れたが実験机が占領され,技師の方の仕事場に困っているところはありませんか.ルーチンの自動化で,技師の方はそれ以外のもっと広範囲の検査に当たるのが自動化の理念なのてす.私たちは今までの実験机を何1つ犠牲にすることなしに,同じ部屋に自動機械を設置し,順調に運営しておりますのでご紹介します.

代謝経路と臨床検査・12(最終回)

フェニルアラニンの代謝

松村 義寛

pp.1228-1229

 必須アミノ酸の1つであるフェニルァラニンはベンゼン核を有するが,そのパラ位に水酸基を有するアミノ酸のチロシンとともに,広くタンパクの構成分となっている.

 大部分は脱アミノ基を受けてTCAサイクルに導かれ,尿素,炭酸ガスおよび水になるのであるが,途中アセト酢酸を生ずるのでケト原性でもある.

総説

白血球の顆粒

太田 宏

pp.1231-1235

 白血球は赤血球と違って核を有する.すなわち1個の細胞として血管の内外で活動するが,数種の白血球のうち,特殊顆粒を含むものは好中球,好酸球,好塩基球の3種に分けられる.それらの構造と機能を最新の知見で紹介する.

技術解説

オートアナライザーSMA−12/30サーベイ型

石井 暢 , 小西 麻子

pp.1236-1241

はじめに

 オートアナラィザーによる化学分析の仕事は,本誌にも,数多くの報告があり(最新のものは本年4月号)またテクニコン社から各分析法が‘Automation in Analytical Chemistry’として集録され発売されている.このように,本器は一般に普及していると考えられる.わが国においても,すでに10年近くの歴史をもち,チャンネル数でいえば数百チャンネルにも及び,オートアナライザー®は自動化学分析器の別名と誤認されているほどである.

 オートアナライザー自身も,1チャンネル器から漸次目的に応じ,チャンネル数を増し,現在,最も新しい多チャンネル型は,いわゆるSMA 12型となり,12種目1時間30検体処理能力のSMA−12/30と60検体処理のSMA−12/60にまで発展した.しかも,SMA−12/30型は検体所要量2.5-3.0mlであるに対し,SMA−12/60型は所要量1.8mlで目的を達するほど微量化に成功している.

新生児血清ビリルビン値とEberlein(エバーライン)分画法

官川 統

pp.1242-1246

はしがき

 私どもが昭和27年ごろに行なっていた交換輸血と現在のそれとを比較してみると,大きな違いがあることに気づく.当時の交換の対象となるものは,既往に何回も重症黄疸児を持ち,その大半が死亡,または脳性麻痺となっているような症例に集中していた.そして予定日前後に入院させ,多くは帝王切開(交換輸血の技術が幼稚であり,加うるに交換血が集めがたいために,定った時間に行なう必要があった)で児を娩出させ,検査結果によって交換の適応が決定され,引き続いて交換を行なったものである。したがって初産婦の児が黄疸強度になってもあまり関心がもたれず,前述のごとく既往のはっきりしている例を目標としていた.

 しがし昭和30年ごろより既往の有無にかかわらず,新生児期に過ビリルビン血症を示した場合,そのうちのいくらかが脳性麻痺,または重症黄疸死亡に進むことが明らかとなり,いずれも交換輸血によって解決されるコースが取られるようになった.その結果,新生児のすべてについて黄疸の動向の情報が要求されるようになり,それも主観的なものではなく,生化学的に血中ビリルビン値測定でなければならなくなった.

ゲラフ解説

ロサンジェルスのカウンティ総合病院化学検査室—高度な自動化と学ぶべき合理性

樫田 良精

pp.1247

 1969年7月Los Angeles County General HospitalのClinical Biochemistryの検査室を訪れる機会を得たので,2,3の新しい点を紹介する.ここはR.SterlingというPh.D.Clinical Biochemistを部長に,月に10万件の化学検査をこなしている.自動化学分析に力を入れ,single channelのオートアナライザー23台,SMA−6/60 1台,Robot-chemist 2台,BeckmanのDSA 1台(現在4台追加発注)というすばらしさである.3部門に分かれ,第1部門は受付と記録,緊急検査室(80%自動化),第2部門は超微量分析とルーチン検査(後者は80%自動化),第3部門は特殊検査(1日20件以下の検査)と薬物中毒検査を担当している.

 検体の受け付けにはかなり大ががりなコンベァが設けられていて,検査室の壁面に沿って検体を検査分担者の手近かなところまで輸送できるようになっている.

臨床検査の問題点・12

12チャンネルオートアナライザーの検討

石井 暢 , 春日 誠次 , 小西 麻子 , 斎藤 実

pp.1248-1255

 "自動化の波"は生化学検査室だけでなく,他の検査室にも押しよせてきている.そこで12チャンネルオートアナライザーとは,どういうメカニズムか,使用上の注意点は何か,どうしたら信頼度の高いデータが得られるかなど,いわばその"ABC"を検討する.

主要疾患と臨床検査・12

骨疾患と臨床検査

星野 孝

pp.1256-1260

 骨は活発な代謝を営む臓器であるというと驚く人が多いかもしれない.骨が支持組織,運動器官にすぎず,硬い一定の形をした,そして成人になつてしまえば,ほとんど伸びもしないし形も変らないという誤まった先入観があるかぎり,骨が絶えず新陳代謝を行ない,常時古い骨の部分はこわされて,新しい骨に置き替わっているなどということが,容易に信じられないかもしれない.しかしこれは事実なのである.

 骨の組織の中には毛細血管がはいり込み,毛細血管のその先は組織液がしみ込み,その組織液が膠原線維についた骨の結晶(ハイドロオキシアパタイトCa10(PO46(OH)2を単位胞とする小さな結晶,電子顕微鏡でやっと見えるくらいの大きさの結晶.格子欠陥があるため,それ以上結晶が大きくなれない)を浸しているのである.ハイドロオキシァパタイトの結晶は非常に小さいから,その表面積は漠大で,1gのハイドロオキシアパタイトの表面積は実に10-200m2もある.このような表面における反応,あるいは結晶格子の置換,イオン交換が常時起こっている.

1ページの知識 生化学

有機化合物の構造(2)

永井 諄爾

pp.1261

 前号で有機化合物の構造式とは,その物質の構成元素の記号と数とを使って,その物質の性質をどのようにじょうずに表現するか,その表現様式であると述べた.

 ではエチルアルコールにおいて,その特殊な性質は,どんな元素の,どんな結合状態に基づいているのか,それを説明したいと思う.結論から言えば,アルコールと水とは,かなり似かよった性質をもっているのである.

1ページの知識 血液

血球鑑別のコツ(5)

大橋 辰哉

pp.1262

白血病細胞について

 白血病細胞という表現がしばしば使われるが,具体的にどんなものをいうかというと,末梢血でいえば,急性白血病では幼若な白血球であり(成熟している白血球は正常細胞と考えられている),慢性白血病では幼若白血球も成熟白血球も含まれる.しかし一般に問題になるのは急性白血病時の幼若白血球である.どのような形態の白血球をみたら白血病の疑いを持つべきかということを今回では述べる.

 慢性白血病の白血球細胞は正常の形態をしているので,それのみでは白血病かいなか判定はできない.白血球数が著しく多いこと(あまり多くない例もあるので,これのみでは診断根拠にならないが),慢性骨髄性白血病では染色体分析によるPhiladelphia染色体の存在や,白血球alkaline-phosphataseの著減などが認められれば診断できる.

1ページの知識 血清

血清学の用語

安田 純一

pp.1263

概念のないところにうまいぐあいにコトバが出てくる……ゲーテ「ファウスト」より

 今日,医学,生物学を通じて用語の混乱はバベルの塔をほうふつさせる.悪貨が良貨を駆遂するように,いったんはびこり出した悪い用語を排除するのは並みたいていでない.フランス学士院が悪いフランス語の例としたmalnutrition (栄養不良)というコトバを追放することは,このコトバがあらわす内容を全世界からなくすのと同じくらい困難であろう.以下,血清学関係で問題のある用語をあげる.

1ページの知識 細菌

薬剤感受性の検査

木村 貞夫

pp.1264

 抗生物質の普及とともに,その感染症に対するすばらしい効果によって感染症はその様相を一変し,従来は恐ろしい疾患と考えられてきた肺炎,敗血症,腸チフス,赤痢などは激減した.これに替わって,最近では比較的病原性が弱いと考えられている緑膿菌,グラム陰性杆菌症などが臨床上問題になっている.これとともに,細菌の薬剤耐性も大きな問題となり,病院の細菌検査室では感受性試験が大きな比重をしめるようになった.本項では薬剤耐性の概念とその検査法について述べる.

1ページの知識 病理

衛生検査技師と病理解剖

川井 一男

pp.1265

病理解剖とは

 生検および手術材料の検査が生鮮組織について行なわれるのに対し,病理解剖(剖検)は死体の内臓諸器官を精査して,死亡時の疾病の状況と死因を判定するとともに,さらにそれに至る生前の病状経過をも形態学の立場から把握して,診療事項との比較検討に役だつ資料を得るために行なわれ,医学ではきわめて重要な業務の1つになつている.病理形態学以外の専門的な検索もあわせて行なうことにより,さらに診断が補足されることも少なくない.

1ページの知識 生理

アナログ計算機

宇都宮 敏男

pp.1266

 微分方程式の変数を,電圧に相似させて解く電子回路システムをアナログ電子計算機という.この基本となる電子回路は,微分演算(dy/dt)の逆である積分演算(∫ydt)を行なうアナログ積分器である.

 図1において増幅器は十分大きな(104すなわち80dB以上)増幅度があり,極性は反転するものとする.スイッチを開いて入力を加えると,増幅器出力には入力信号と反対極性の大きな電圧が現われようとするが,コンデンサCを通じて入力にフィードバックされ,入力電圧を打ち消すように作用する.その結果,P点の入力電圧Veはほとんどゼロの状態を続ける.この間,y (t)とv′(t)がそれぞれ抵抗Rを通じて積分器の入力端子に加わっているので,図中のi(t)は次式で与えられる値をとる(P点の電圧が像とんどゼロであることに注意).

1ページの知識 一般

寄生虫の大量検査

鈴木 黎児

pp.1267

 編集部の出題は,"寄生虫の大量検査"であった.大量検査とは,マスプロを連想させ,なにか欠陥の内蔵を感じさせる.私たちは,大量検査といわずに集団検査・集団検便といっている.

 私たちというのは,日本寄生虫予防会傘下の31支部・準支部(昭和43年度)のことで,これに沖縄の支部が加わる.これらの支部は,昭和43年度,糞便による虫卵検査を1160万2021件,スコッチテープ法によるぎょう虫卵検査を435万5598件実施した.合計1601万7619件というぼう大な検査数で,まさに大量集団検査といえる.

学会印象記

臨床化学自動分析研究会(44年度)—自動機器をめぐる貴重な報告

降矢 震

pp.1269

 8月30,31日の2日間,千代田区番町共済会館で開かれた.会長は樫田教授,全国からの参加人員は500名を超える盛会であった.

 総論的な演題は会長講演を含めて2題,各種自動測定機の使用経験などの20題であった.

論壇

臨床検査の自動化

松村 義寛

pp.1270-1271

検査業務の独立

 ひとりひとりの患者の病状を明らかにして,適切な診療を行なうことは医師の使命であり,この目的を達成するためには正確,迅速,精密な臨床検査が行なわれなければならない.

 臨床担当者は毎日患者に直接接触しつつ,病状を観察しているので,検査結果をただちに知りたいと考える.したがって医師自身で検査を行なうことを例としてきた.自ら手を下す時間的余裕がなければ,協同者である看護婦に依頼をしたものであった.

座談会

"試薬"をめぐる諸問題—調製試薬と自家製試薬の比較と検討

坂岸 良克 , 宮城 芳得 , 吉田 陞 , 松村 義寛

pp.1272-1279

 調製試薬の普及によって,検査室で試薬を作る機会は非常に少なくなってきた.しかし,ごく少量の検査や緊急の検査の場合には,必ずしも調製試薬が利用できるとはかぎらない.その意味でも,試薬の作り方を,テクニシャンはひととおり心得ておかなくてなるまい.そのまえに,調製試薬がほんとうに信頼できるのか,また調製試薬を利用するうえで気をつけなければならないポイントはどこか,ひとつ徹底的に考察してみることにする.

海外だより

東南アジアの検査室(2)—シンガポール大学総合病院の病理学部門

佐々木 禎一

pp.1280-1283

 前号で私はUniversity of Philippines(U.P.)付属総合病院に中央検査部を見学して,その様子を報告した.

 その後沖縄-マニラ間で発生した荷物紛失事故の解決交渉のため,一時マニラから帰国したが,荷物を準備しなおして再びマニラに戻り,次いでPhilippines Airlinesのジェットでシンガポールへ向かった.

人事院勧告と地方公務員—民間給年との較差

佐藤 乙一

pp.1284-1289

 今年の公共企業体における給与改訂率は10.1%であったことを背景にして,諸物価の上昇率と,民間の労働組合が春期闘争のなかでおさめた上昇率の平均が15.8%という,かつて例を見なかったような結果が出ていたことから,一体今年の人事院勧告はどのへんのアップ率を出すかについてい一般の産業界はもちろん,勤労者側の深い関心を示す的のひとつであった.

 例年にならって8月15日,人事院勧告は行なわれたのであるが,人事院の説明によれば10.2%のアップ,上薄下厚,中ダルミ是正,医師,看護婦,研究職の改善に特段の配慮をしたといっている.そこで以下勧告の中味について説明を加えてみよう.

私のくふう

肺双球菌の長期保存法

佐藤 征

pp.1289

 細菌検査の学生実習や細菌学的研究においては,各種細菌の菌株を常時保存しておく必要があるが,多忙な細菌検査室において,これら菌株を頻回維代することはかなり煩雑である.従来,特に生存期間の短い菌については,種々なくふうがなされており,肺炎双球菌もその1つである.本菌は自己融解酵素(pH 7.0—7.2で最も活性)を産生し,すみやかに死滅することが知られている.その生存期間は,血液寒天斜面でせいぜい3週間,ブイヨンで数日間が限度である.そこで保存の方法を種種検討した結果,下記する方法により,6カ月間の長期保存を確認しているので紹介する.

研究

集団調査における血液採取の効果的な方法(2)

大倉 興司

pp.1290-1293

標本番号

 多数の標本を一時に,あるいは短期間に処理する場合に,最も注意すべきことは標本番号の取り扱いである.標本への番号付けは,比較的簡単に考えられることが多いが,個体識別として付けられた番号を,その個体に関するあらゆる情報に,常に正しく付けられていくことはかなりむずかしい問題なのである.いかに詳細な情報が集められても,わずか1字の数字の誤りによって,そのすべては無に等しくなる.対象となる個体数,あるいは標本数の増加に伴って誤りは起こりやすくなる.番号の付け違い,番号の重複や欠如,転記の誤りは結果的には最も重大な誤りで,これに対処するため,著青はいくつかの方法を試みたので,改良の経過を追って紹介する.目的と条件によってそれらを適当に選び,あるいは併用すれば効率を高めることができよう.

東亜自動血球計数器の同時通過誤差について

岡田 徳弘 , 林 正好

pp.1294-1296

はじめに

 細孔を血球が通過するときの,電気的変化を捕えて計数するタイプの自動血球計数器(TOA MCC, CoulterCounterなど)は,その細孔を2個以上の血球が近接して通過したとき,その血球を1個として計数する誤差,いわゆる同時通過誤差が存在し,実際に血球が細孔を通過した数よりもその計数値が低くなるといわれている.

 Coulter Counterは補正表を使用し,その誤差を補正しているが,MCCはその動作原理の特徴によって同時通過の率が小さいため,計数値の補正は行なっていない.

Heller変法における感作単位の検討

青野 悠久子 , 井上 準子 , 堀越 晃 , 島岡 和子 , 杉 栄子 , 小野寺 信子 , 箱崎 ヨシ子 , 水岡 慶二

pp.1297-1300

はじめに

 当検査室では,当初より慢性関節リウマチ(Rheumatoid arthritis(以下RAと略す)の検査法としてWaaler-Rose反応を実施してきたが,リウマチ因子の検査法として原理的にもすぐれ,鋭敏度,特異度ならびに再現性もより高いとされているHeller変法2,5)を,Waaler-Rose反応と比較検討したところ,よい成績が得られたので,昭和40年11月からHeller変法に切り替えた.以来,Waaler-Rose反応と同様にヒツジ血球の感作単位を1/2凝集単位にして検査を行なってきたが,ときどきリウマチ因子以外の原因によると考えられる非特異凝集が認められることがあったので,日常行なっている検査法を再検討する目的で,凝集素価の測定法および感作単位について検討してみた.

ひろば

○は×だった

大林 弘幸

pp.1300

 "新しい検査法"を日常の臨床検査に取り入れ,これから利用しようとする試みには興味があります.しかし,そのためには多くのことがらについて検討し,検査法を自分の検査室の体質に同化しておく必要があります.

 まれに検討の途中において,ちょっとした術式の盲点に落ちこみ,気づかぬまま検査室に導入され,将来に正確度,再現性において信頼を失い,禍根を残す原因になる場合もあります.

新しいキットの紹介

デキストラン硫酸を用いる血清β-リポタンパク簡易測定法に関する検討

馬場 茂明 , 亀野 靖郎 , 清水 裕子 , 金山 昭平

pp.1301-1303

いとぐち

 β-リポタンパクの定量は,免疫沈降法(immunocrit法)が導入されて以来,日常臨床検査でもしだいにルーチン化され,比較的手軽に定量されるようになってきた.われわれはこのたび紹介されたデキストランサルフェート沈殿法(以下,コーワ・D・S法と略す)による測定法について検討し,その他の方法,すなわちimmunocrit法2社,ヘパリン沈殿法1社製品と比較した.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

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今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

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今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

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64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

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今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

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63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

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63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

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62巻3号(2018年3月発行)

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今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
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今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

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今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

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今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

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60巻5号(2016年5月発行)

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今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

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今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

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今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
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今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

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今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

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今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

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今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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