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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻4号

1969年04月発行

文献概要

1ページの知識 細菌

普通寒天にはえる病原菌(2)

著者: 木村貞夫1

所属機関: 1栃木県衛生研究所

ページ範囲:P.328 - P.328

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病原ブドウ球菌の検査同定(2)
 3.同定をかねたブ菌の分離培養
 前項で述べたように,ブ菌の病原性の決定にはコァグラーゼ反応が基準になるが,忙しい臨床では1日も早く病原ブ菌を決定したいために,"コ"反応とかなり一致する性質の検査と分離培養とをかねさせる検査方法を行なうことが多い.しかし,これらの検査はいずれも"コ"反応とは全く別のブ菌の性質を調べているものであるから,"コ"反応とかなり一致はするが,中にはくい違うものもある.こういう時は,あらためて"コ"反応を行なわねばならないことをよく記憶しておく必要がある.これらの検査法は下のようであるが,いずれも一長一短がある.
(1)PP寒天培地一普通寒天1l中に,マンニット5g,NaC150g,0.5%フェノールフタレイン2リン酸塩30mlを加えた培地である.食塩によってブ菌以外ののMicrococcus発育を抑制するとともに,ブ菌の"コ"産生能とフォスファターゼ活性が平行することから,フォスファターゼ産生能をもって病原ブ菌の同定ができるようにした培地である.フェノールフタレイン2リン酸塩は分解しやすいので,加熱滅菌ができない点が欠点である.培養後,アンモニアガスをあてるとフォスファターゼ陽性菌は桃色になる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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