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文献詳細

雑誌文献

臨床検査13巻6号

1969年06月発行

文献概要

技術解説

細血管抵抗試験

著者: 山田外春1 松本常男1

所属機関: 1三重大第2内科

ページ範囲:P.477 - P.481

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細血管抵抗試験の意義
 血液循環系において,毛細血管壁の健全は,最も重要な生理的条件である.もし,毛細血管が病的因子のため障害を起こした場合には,内被細胞の滲透作用が異常に働き,血液成分は血管外との平衡を失って,あるいは水分代謝に変化をきたして電解質の滲出をみ,さらには有形成分にまで病変が及ぶ場合がある.毛細血管壁を赤血球が透過するようになれば,溢血であり,臨床的には紫斑病といわれる状態になるわけで,毛細血管壁の状態を知ることは,出血性素因の診断上重要なる検査事項となるのである.
 毛細血管の生理的状態や機能の異常を知る方法としては,毛細血管血圧測定,皮膚毛細血管撮影,毛細血管透過性測定,毛細血管抵抗性測定等が行なわれており,透過性の亢進と抵抗性の減弱はその性質を異にするものである.しかし,これを厳密に区別することはできないことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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